夏が近づく。梅雨が明ければあっという間。夏の釣り物は、熱と共にまるで海が活気づくかのようだが、実は釣れ渋る期間もある。今からターゲットを定めてうまく釣っていこう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
釣り物が減る夏の沿岸ライトゲーム
夏のショアの釣り物は、ライトタックルの対象魚としては主には以下のものだ。
・タコ
・カサゴ
・豆アジ
・サバ
・クロダイ
このように、実はあまり多くない。回遊があれば小さな青物も釣ることができるが、運次第でもある。筆者のメインフィールドである大阪湾奥では年々アジも減少しているので、アジングも厳しい。サバはそもそも掛けにくい。タコのLT化はちょっと無理めであり、しかも今年のは6月の今から1kg級というウワサがある。まあ大型化は嬉しいことではあるが。
水温上昇でメバルは姿を消す。その上アジが釣りにくいとなると、どうしよう?
サバの到来がサイン
毎年ほとんど外さないのがサバで、2021年の夏にはド日中でもメタルジグで200尾以上釣れたこともあった。サバが到来し始めると、海がいい状態になり始めたと考えられる。ベイトフィッシュを追ってサバが入る。そのサバを追って青物が入る、という感じ。
個人的に今年試してみたいと思っているのが、スーパーライトを超える(下回る?)ウルトラライトショアジギング。5g級のメタルジグとジグサビキを使い、サバの大群を狙ってみたい。
サバを釣っているとアジも混じる。スーパーライトからよりフィネスにすることで、あるいはもう少し口の小さな魚もつくようになるかもしれない。15g級のジグを追い切れなかった小型の根魚がじゃれついてくることもあるだろう。
真打ち「新子カサゴ」
夏の初めに何を釣るのが愉快かと言って、ライトゲームアングラーにとっては新子のカサゴだろう。冬に産卵されたカサゴが、10cm15cmのサイズになって食ってくる。ハイシーズンなので大型も食ってくる。小型はリリースが望ましいが、大型は食ってもうまい。カサゴの唐揚げでビール、最高じゃないか!
ただ昨季から私はカサゴに関して違和感を覚えている。とりあえず自分が釣っているエリアに限られる話だが、妙に反応が薄いのだ。いつもはメバルを釣っていると必ず混じったカサゴが、今年は本当に3つくらいしか釣れていない気がする。まあメバルとはレンジが異なる魚だが、ボトムをちょこちょこ打ってもアタリすら出なかった。
おそらく個体数減の表れだろう。どこにでもいるような魚だからまだまだ残っているとは思うが、大阪湾奥では確実に姿を見ることが少なくなっている。ショアのルアーアングラーにとって、もちろんエサ師にとってももっともポピュラーな魚だ。この夏はしっかりと心配して、「大丈夫か?」と様子を見たい。全国の釣り人もカサゴを見守ってやってください。
チヌが反応し始める地域も
群れが多い地域では、チヌがハイシーズンを迎える時期だ。LTでも釣れるので、みなさんもライト・ブリームゲームに挑戦してみてほしい。この魚はメバルタックルそのまま、バスワーム2inchでキワをリトリーブするか、ふわ釣りするかで、思いがけず簡単に釣れる。
メインの釣りをライト・ブリームにおくと、夏の釣りはエキサイティングだ。湾奥に多い魚である。大阪湾奥、東京湾奥、熊本あたりに多い。ボトム周りを中心に釣ってみよう。
暑さに気をつけて
釣りは楽しいが、水遊びである以上、危険が伴う。それは落水などの事故に限ったことではない。何よりこの時期に怖いのが熱中症で、夢中になって釣っていると夜でもクラクラすることがある。
熱中症は単独でも怖いが、そのままふらっと落水してしまうという事故の原因にもなりかねない。ライフジャケット装着、そして十分な水分補給で安全安心な釣りを。
<井上海生/TSURINEWSライター>