梅雨に真水を嫌うメバルを攻略する方法 プラグは捨ててワームで狙うが正解?

梅雨に真水を嫌うメバルを攻略する方法 プラグは捨ててワームで狙うが正解?

雨季のメバルは「梅雨メバル」と呼ばれ、梅雨まで釣ることができる魚である。この時期を入れると、実に半年以上ライトゲームを盛り上げてくれる最高のターゲットだ。しかし雨季のメバルは一筋縄ではいかない。メバルの習性と挙動を頭に入れて攻めていこう。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

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井上海生

フィールドは大阪近郊。ライトゲームメイン。華奢なアジングロッドで大物を獲ることにロマンを感じます。

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メバルは真水を嫌う

筆者の経験では、汽水域でメバルを釣ったことはほとんどない。シーバス、ボラ、居着きのアジくらいしかつかないような、ガチガチの汽水域では、ゼロである。メバルは真水を極度に嫌う魚なのだ。ちなみにこれはカサゴも同じで、タケノコメバルとソイなどの同類の根魚はつくのだが、メバルとカサゴはまあ塩分濃度の薄い汽水域では釣れない。

梅雨に真水を嫌うメバルを攻略する方法 プラグは捨ててワームで狙うが正解?タケノコは汽水域にもいる(提供:TSURINEWSライター井上海生)

汽水域とは、「川の真水と海の海水が入り混じるところ」とは言いながら、比重の軽重で考えると、乳化みたいな感じになりながらも真水が上に、そして海水が下にくるはずだ。

メバルは基本的に夜は表層つきの魚なので、塩分濃度が低い汽水域の表層では釣れない。そもそも息ができない。もしかすると、レンジを入れたところや、要所では釣れるのかもしれないが、釣り物としてまったく容易ではない。

よって、雨季のメバルは同様、いつもと同じ海でも塩分濃度が低くなった真水混じりの海では表層で反応しにくくなる。水潮ではパタリとアタリが止まるのだから、間違いない。

真水混じりの海ではどう釣るか

雨季のメバルは、基本的に表層にいないものと考えた方がいいだろう。そうかと思うと普通に浮いていたりもするので、とりあえず打ってみる価値はあるが、水潮の状況だと何をやっても反応しないことが多い。いつも単純に釣れる魚なので手間がかかる感じがするが、レンジを刻む釣りをするしかない。

海水の上に乗った雨(真水)の下を釣るイメージで釣る。活性が高い(すなわち食い気がある)状況であれば、本当に10カウントくらい入れてやった表中層でカンタンに釣れる。目安として0.8gで10カウント、潮が効いている場所なら1.2gで10カウントくらいだろうか。すーっとリトリーブしてやれば、群れがいれば食ってくるだろう。

プラグは捨てる

レンジキープが容易でベイトフィッシュパターンに強いプラグだが、雨季はあまり使えない。というのもメバル用のプラグはほとんど表層トレースのものだ。潜行レンジが多少深めに作られているものもあるが、メバルのいるレンジまでリアルに届かせるところをイメージすると、ワームでヘッドウェイトを調整してやった方が筆者としては確実だと思う。

こういうときの操作は、マニュアル感覚の方がいいのだ。そもそも酸素不足で魚が動きにくい海では、ハードマテリアルのプラグは魚にとって追う気になれないベイトのはずだ。

雨の降り方との関係

梅雨や7月は台風がきやすい。台風後の海は、「台風リセット」という釣り用語もあったりするが、まあ釣りにくい。湾奥のショアはゴミが必然的に流れ着いてくるし、壊滅的だ。そういう海でキワを釣るメバリングは成立させにくい。ふだんは爆釣のポイントも潰れる。

実はこの記事を書いている今はすでに2週間近く前の台風が過ぎ去ったあとだが、今でも大阪湾奥の釣り場には漂着したゴミが浮き、まったく釣りにならない状態だ。台風の規模にもよるが、最大それくらいは釣りができないこともあるらしい。

梅雨に真水を嫌うメバルを攻略する方法 プラグは捨ててワームで狙うが正解?晴れの日を待とう(提供:TSURINEWSライター井上海生)

釣っている最中に多少雨がぱらつくくらいなら、ご存知のようにライトゲームには「小雨パターン」という、迷信のようでリアルな活性アゲモードがある。しかし梅雨時期に独特の雨が1日2日としねしね降り続く状況では、水潮になる。筆者の感覚では、2日間ずっと降り続けているとダメだ。どれだけ潮が動く日でも、水潮は解除されない。

塩分濃度に影響される

雨季のメバルの挙動は間違いなく真水による塩分濃度に影響される。釣り場にメバルタックルしか持っていかぬ我々にはそんなデータは数値化して感じ取れるものでは決してないが、経験的に考えると、やはり「塩分濃度が低いとメバルは息がしにくいのだろう」という予測は立つ。

雨季のメバルは状況によってはまったく釣りにならない。マシなときにはレンジを入れて表中層からボトム周り。ざっくりと言えば、そのような釣りが攻略術といえるだろう。

<井上海生/TSURINEWSライター>