全国の子育て世代アングラーは日々仕事と子育てに奮闘しながら限られた時間の中で釣行に臨んでいると思う。筆者もそのうちの1人だ。今回は4時間という限られた時間の中でのエギング釣行で2.4kgオーバーの良型アオリイカをキャッチすることができた。その釣行内容と短時間釣行でのポイントについて紹介したいと思う。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター石橋健一)
良型の春イカ狙いエギング釣行
3月から良型の春イカを求めて、長崎県の各地域でエギング釣行を開始したが、キロアップはキャッチできるも、なかなか2kgオーバーのアオリイカをキャッチすることができなかった。そんななか、4月9日に今シーズン初となる2.5kgオーバーのアオリイカをキャッチすることができた。
海の状況は良くなってきていると判断し、次回の釣行は今回のタイミングだろうと予測し今回の釣行に臨んだ。当日は夜勤明けで仕事の疲れもあったが、釣りに行くとなればそんなことは関係ない。また天候や潮のタイミングも良かったため、子供のお迎えまでの4時間という短時間ではあるが、心を躍らせながら釣行場所へ車を走らせた。
当日の状況とタックル
数日前まで南風が10m以上吹く時化日が続き、波高は低いもののうねりがまだ残っている状況。天気は晴天で風も穏やかであったため、アングラー側のディスアドバンテージはうねりのみ。しかし筆者の経験上、釣りでいい思いをする時は何かしら天候や海況に変化がある時だ。
今回の釣行ではうねりが残っているため、イカのアタリが取りにくいことと、フォールの安定性に気をつける必要はあるものの、うねりという海況の変化が良い釣果に結び付いて欲しいとも思った。前回の潮汐は中潮、今回は大潮であったため潮はよく動くだろうと予測し、当日は満潮から下げに切り替わるタイミングであった。
エギカラーの選択術
当日は晴天で、海は少し濁りが残っていたため、賢い春イカと対峙するためにはアピールしつつ、不自然さを与えないカラーをチョイスする必要があると感じた。したがって、複数の色が入っていながら、下地はクリア系であるピンクマーブルを選択した。
ちなみに筆者はこのエギを製造しているルアーメーカーのフィールドテスターとして活動しており、今までも様々なカラーを試してきたが、中でもこのピンクマーブルカラーは実績が高いため、カラー選択に迷った時などもこのカラーを使用している。
小型イカはあえてスルー
10:30過ぎに釣行開始。釣り場に到着すると、予想よりも早く潮が動き始めていた。内心これはまずい、出遅れたかと思った。なぜなら潮が動き始める直前から釣行開始する予定だったからだ。この状況から釣れるとすれば釣行開始から1~2時間の間だろうと思い、子供の迎えもあるため手返しよくランガンする必要があると判断した。
ここから大型のアオリイカキャッチまでのタイムアタックが始まる。まず手始めに今までで一番実績のあるシャロー帯のワンドになっている部分を狙う。エギが手前に差し掛かって来た時、秋イカサイズの個体が果敢に追いかけてくる。サイトで容易に掛けることができるやる気満々のイカではあったが、これを釣り上げてしまうと大型のイカに警戒心を与えてしまうため無視する。
タムリミットに焦り
次に前回2.5kgオーバーが釣れた場所を攻めてみる。ここは足元に厚い藻が広がっている場所だ。しかしここでは全くイカの気配が感じられず反応なし。横に10mぐらい移動してシモリや藻が点在する水深5m~10mラインを攻めてみる。
ここは3月に1.3kgのアオリイカが釣れた場所だ。しかしここもエギと同サイズのイカが追っかけてくるだけ。なかなか簡単には釣れてくれず、タイムリミットだけが迫ってくる。「今日はだめか……」そんな感情が脳裏をよぎる。
攻め方変更で良型ヒット
釣り開始から1時間半が経過した。大まかなポイントをトレースして反応を得られなかったため、次はトレース角度を変えるかアクションやエギカラーを変える必要があると判断した。
一番効率的なのはトレース角度を変える方法だ。ルアーフィッシングにおいてトレース角度を変えるのは効果的である。これは筆者が普段よくするロックショアやエギング、オフショアでのヒラマサキャスティング及びジギング等の様々なルアーフィッシングにおいても効果的だ。
角度を変えて1投目。一瞬コツンとした感触の後、フワッとラインが緩む。すかさず合わせを入れると、根掛かりのような重量感と凄まじい勢いで出されるライン、ドラグ音が鳴り響く。「これは大きい」そう確信した。