漁業被害もたらす『カワウ』をドローンで撃退 食べて駆除するのが難しいワケとは?

漁業被害もたらす『カワウ』をドローンで撃退 食べて駆除するのが難しいワケとは?

すっかり「漁業の敵」として認知されつつある野鳥「カワウ」。駆除が行われていますが、いわゆるジビエとして活用することはできないのでしょうか。

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

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カワウを「ドローン」で撃退

京都府福知山市と市内の漁業協同組合が、ドローンでカワウを追い払う実証実験を開始し話題となっています。

市内の河川では、猟友会のメンバーが直径約1mの大型ドローンを飛ばし、備え付けのスピーカーから猟犬の鳴き声を流したり、遠隔操作で花火を打つなどしてカワウへの威嚇を行います。

漁業被害もたらす『カワウ』をドローンで撃退 食べて駆除するのが難しいワケとは?カワウの群れ(提供:PhotoAC)

同府ではかねてより、カワウが、漁協が放流したアユなどの水産資源を食害してしまうことが問題となっています。カワウによる同様の被害は全国各地で発生していますが、その対策にドローンを活用している例は全国的にもあまりないそうで、その効果が期待されています。

漁業被害をもたらすカワウ

カワウは体長80cmほどのやや大きな鳥で、動物園でも人気のペリカンの近縁種です。ペリカンがたくさんの魚を食べることはよく知られていますが、カワウもまた1日に500gほどの魚を食べる大食漢です。

漁業被害もたらす『カワウ』をドローンで撃退 食べて駆除するのが難しいワケとは?泳ぐカワウ(提供:PhotoAC)

現在、カワウは全国に10万羽程度が生息していると見られており、彼らによる養殖魚の食害が全国的な問題となっています。特に河川や湖沼での被害が大きく、平成20年にはアユなどの内水面漁業だけで103億円もの漁業被害をもたらしました。

さらに彼らはカワウという名前にも関わらず海の魚も好み、海面漁業も含めるとその被害はかなりの規模に登ると考えられています。

カワウって食べられる?

現在、カワウは上記の京都府など各地で有害鳥獣に指定され、その駆除が進められています。結果として殺処分されるカワウの数も少なくない量となっています。

となると一つ気になるのは、駆除したカワウを食べてしまうという手はないのか、ということ。有害鳥獣として駆除される動物たちの中には、時期やと殺方法の縛りがありながらも食材として加工され、食べられているものがあります。

ましてやアユをはじめ美味な魚を食べているカワウ、味の方も期待できそうな気がするのですが……しかし実際のところ、食用にされることはまずありません。その理由はずばり「美味しくない」から。

漁業被害もたらす『カワウ』をドローンで撃退 食べて駆除するのが難しいワケとは?調理されたカワウの足(提供:茸本朗)

カワウは魚を食べるせいか、全体に「酸化した魚油」のようなツンと来る不快臭があります。加熱することで匂いは強まり、多少の工夫では美味しくすることはできません。

食べられなければせめて羽毛くらいは利用できれば……とも思われますが、こちらもあまり質が良くなく、利用価値は低いそうです。せめて何かしら利用できる部位があれば……と素人は考えてしまうのですが、残念ながら話はそう簡単ではないようです。今は粛々と駆除をしていくしかないということでしょう。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>