例年、暖かくなる3月下旬は、伊良湖沖のカサゴは釣り減りもあって数より型狙いとなる。3月15日、愛知県・南知多町師崎のまとばや丸で出船。同行者は友人の剛君だ。多彩な引き出しを持つ山下晶安さん操船の第八まとばや丸は、定刻の午前7時に出港。航程約45分で伊良湖沖のワガシマに到着した。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・鬼頭佳嗣)
ハワセ巻きが的中
しばらく後、ハワせた仕掛け、すなわち緩めたミチイトをゆっくり巻いていると(これがいい誘いになる)ゴゴンと引き込まれた。23cm前後の良型カサゴ。ふと見ると剛君が大きくサオを曲げている。取り込んだのは25cmのでっかいカサゴだ。「めっちゃいいアタリでした!」とニッコリ。
ここは魚がいるスポットだと集中してイトフケをゆっくり巻き取るとギュギューンとアタリ。心地いい重みで25cmを釣り上げる。今日はハワせ巻きがヒットパターンだと確信。船長はこまめに移動してくれるがポツリポツリ拾っていく状況だ。
ポイント移動で良型追加
「渋くなってきたので移動します」と午前9時30分すぎに移動となった。10分もかからないうちに同じ伊良湖沖の丸山出しに到着。午前9時40分に開始する。「60~80mのポイントを探っていきます」と説明があった。
トモ方向(外洋方向)への流れが強い。大きなハワセはできないので、少しだけイトフケを作り、それを巻くアクションで誘う。ハワセ巻きの応用だ。早速反応があり23cm前後の良型がきた。剛君も同型を上げる。
続けてヒットしたが巻き上げる途中でバラしてしまった。早過ぎたのだ。電動リールで横着すると発生する現象だ。慌てずゆっくり巻くことを言い聞かせた(当日はフォースマスター600で速度13なら大丈夫だった)。
カサゴがトリプルヒット
次の移動の初投で良型をダブルゲット。それを見たオマツリ対応中の剛君が「移動前のポイント(ワガシマ)よりアタリが多いですね」と言う。午前10時30分ごろからアタリの間隔がさらに短くなってきた。明らかにカサゴの活性が上がってきている。気温の上昇と下げ潮が動き始めたことが好転のきっかけだと思われる。ポイントの狭さと潮流の関係から1流しで1~2回しか投入できないが、船全体が活気を帯びてきた。
午前11時30分、「アタリも引きもずっしり重いです!」と剛君が弓なりに大きくサオを曲げている。場合によってはタモがいるなと見守ると、赤い魚体が3つ水面下に見えた。なんとカサゴのトリプル、パーフェクトだ。
仕掛けの上げ下げと船のポイント定位の時間を惜しみつつ、剛君とデッドヒートを繰り広げながら午後0時30分に目標のダブルツ抜け(20匹)を達成。これでひと安心。もう1匹を追加した直後の0時45分ごろにオマツリが発生したため、仕掛けを切断して少し早いが自主的に終了とした。春のポカポカ陽気のなか、身が厚い良型カサゴを目標数釣ることができて楽しい釣行となった。
最終釣果
リリースを除きキープした私の釣果はカサゴ16~25cm21匹だった。22cm前後の良型を中心に25cm前後の大型が2割程度交じった。今年の晩春は「数より型」と感じた釣行だった。剛君は16匹だった。
これからグングンと水温が上がればカサゴの活性も上がる。小潮、長潮、若潮の緩い潮回りを狙うといい。例年は5月末まで出船するので、爽やかなアウトドアに適した季節に船カサゴを楽しんできてほしい。
<週刊つりニュース中部版APC・鬼頭佳嗣/TSURINEWS編>