多彩な魚種に出会える好釣り場の三重県・尾鷲湾。このエリアの冬の風物詩がメタルスッテを使用してヤリイカ、アカイカ(ケンサキイカ)、スルメイカを狙う「メタルスッテゲーム」だ。紀北町引本浦のエヌテックマリンから出船した釣行記をもとに釣り方を解説する。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・橋本広基)
サバ対策の方法
しかし、その後はサバの大群に大苦戦。海面付近でサバが次々とヒットし、なかなか底までルアーが落ちていかない。そこで、そんなときの対処法として、ルアーを沈めていく沈下速度を遅くした。ついついサバの猛攻を避けるため、ルアーの沈下速度を上げてしまいたくなるが、ルアーの動きが速いことでリアクション的なバイトを誘発してしまい、逆効果になることが多い。
今回もその効果は的面でサバゾーンを通過。欲張り仕掛けの本領が発揮され、良型のアジに加えアカイカも追加。まだまだ釣れ続ける状況だったが、楽しい時間は早いもので11時に納竿とした。
今後は水温が下がってくることで、ヤリイカの数釣りも期待でき、個人的には春先の大型スルメイカの猛ラッシュも非常に楽しみにしている。尾鷲湾のメタルスッテシーズンはこれからが最盛期だ。
広い視野とメンタルが重要
最後に毎回感じることではあるが、今回の釣行でもメタルスッテゲームで釣果を伸ばすためには、周りを見る広い視野とメンタルも重要だと感じている。刻々と変わるヒットレンジや選り好みをするイカたちとの知恵比べは、時にアタリが途絶え、何をしても釣れないといった迷走に入るときもある。そんな時は「なんで釣れない?」、「どうして?どうして?」と焦るのではなく、ひと呼吸置いて周りの人のヒットカラーや誘い方、ルアーを変えてみるなどで、考え方を整理することも良いと感じている。
いつも新しい発見や学びが多いメタルスッテゲーム。手軽に楽しめるが、このようなテクニカルな部分がどっぷりとこのゲームのトリコになる部分だろう。
<週刊つりニュース中部版APC・橋本広基/TSURINEWS編>