9月28日、筆者が主宰する釣りクラブのメンバーである日下りいさんが岐阜県海津市の朝日池に釣行。同行した様子をレポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・戸松慶輔)
朝日池でヘラブナ釣り
長村オーナーに状況を聞くと「最近調子が良くない」といううわさを耳にした。一抹の不安がよぎるが、逆に言えば夏ほど活性がないということ。そろそろ浅ダナで釣れる時期ではなくなってきたという証拠だろう。
その情報を信じて底釣りを選択。池で一番浅い新設西桟橋の奥に釣り座を構え、7尺の短ザオで底釣りの仕掛けを準備する。エサはマルキユーの芯華を単品で使用する。
最初はエサを打ち続けて寄せを意識しつつ場を作っていく。15分ほどでウキに動きが出始め、さらに少し待つとウキが鋭く入る本命のアタリ。このアタリは空振りに終わったが、近くに食い気のあるヘラブナがいると確信したりいさんは次のチャンスにかける。
25cm級美ベラ登場
すると、エサがなじんで少しずつウキが上がってくる。わずかにウキが左右に振れたかと思った瞬間、一気に消し込むような強いアタリが出た。アワセがビシッと決まり、浮いてきたヘラブナは25cmほどの美ベラだ。
1匹に気を良くしてエサを打っていくと、明らかにヘラブナが寄っているのが分かる。夏ほど水面に湧いているわけではないが活性は高そうで、さらに2匹追加した。
初の「リャンコ」達成に歓喜
途中、様子を見るためエサをグルテンダンゴや両ダンゴなどいろいろ試したが、どれもしっくりこない。そこで一番反応が良かった芯華に戻すと、やはりアタリだったのかウキにすぐ動きが出て素直なツンアタリが出てくれる。「やっぱり今日は芯華がいいのかも」と手応えを感じつつ釣りを続けるりいさん。
ウキの動きに集中し、何度かイトズレをスルーした後に本命のアタリに反応すると、ずっしりと重みがサオに掛かる。このまま素直に浮いてくるかと思っていたが、強烈な重みでキュンキュンとイト鳴りが止まらない。
必死にサオを曲げて耐えていると、なんだか感触がおかしい。時間をかけてようやく水面近くに浮いてきたのは、仕掛けのハリにそれぞれのヘラが食いついている「リャンコ」と呼ばれるレアヒット。ヘラブナ釣りを始めて1年弱で初のリャンコ達成に大感激だった。
その日に合ったエサとタナがカギ
その後もポツポツとヘラブナを釣り上げ、この日は20匹弱の釣果となって納竿とした。
明らかに水面近くよりもタナは下がっており、少しずつ冬の釣りへ移行しているのを感じる。しかし「釣りにくい」といううわさはどこへやら。まだまだしっかり口を使ってくれ、活性は高い。その日の状況に合わせてエサとタナをアジャストさせるのが、釣果への近道なのかもしれない。
秋のヘラブナ釣りで「底釣り」と「芯華」の2つが見事にマッチして釣果を上げることができたりいさんは大満足で帰路についたのだった。
<週刊つりニュース中部版APC・戸松慶輔/TSURINEWS編>