前回レポートに引き続き赤イソメとイシゴカイの実釣比較テストを行っている。今回は、本格シーズンを迎えたハゼのミャク釣りで、比較テストを行ってみたので、その結果をリポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター牧野博)
赤イソメをハゼ釣りで試す
キスの投げ釣りとハゼのミャク釣り、釣法やポイントは大きく異なるが、まきエサを使用せず付けエサのみで食わせること、仕掛けの操作によって魚との接点を作るという点では共通している。
ハゼのミャク釣りのエサとしては古くは水ゴカイが使われていたと聞いているが、現在関東では主にアオイソメが、関西ではイシゴカイがメインのエサになっている。今回テストする赤イソメは、関東で主流のエサであるアオイソメを品種改良したものであると聞いているので、かなり期待が持てそうだ。
また、前回のキス釣りの場合に、両者の間にキスのサイズや、ゲストの釣れ方などに違いが出ていたことから、今回のハゼの場合にも、そのあたりの状況がどうなるか、できれば結果が見てわかるように工夫してみたい。
早速、実釣テストの結果についてレポートと写真で報告する。
実釣テスト結果
・実釣時間帯 8月20日 16:30~19:10
・テスト場所:紀ノ川河口右岸、市民スポーツ広場付近の護岸付近
・竿:並継ヘラ竿4.2m
・ミチイト:竿一本分(穂先から50cmナイロン2号、そこから錘まではPEライン0.8号(船釣り用のPEラインを転用)を電車結びで接続して使用
・天秤:ミニL型天秤(ショアゲーショア天1.3号)、自作のナイロン3号の2本よりの砂ズリ3cmを天秤に直結し、先にハリス止めを接続。ここに仕掛けをつける(写真参照)
・仕掛け:湘南キス7号の2本バリ仕掛け(ハリス間隔20cm)をハリス止めに接続
・検量:赤イソメ、イシゴカイの分を分けてクリール内のビニル袋に入れ、終了後に検量
実釣テストで注意した点
前回のキスの場合は、遠投するので一定の時間内のキャストの回数はミャク釣りよりも格段に少ない。このため1回ごとのキャストでエサの嗜好性の比較をする必要がある。そこで1本の仕掛け(4本バリ)に交互にイシゴカイと赤イソメを刺し、テストを行った。
ミャク釣りの場合は投入から仕掛けの回収は短時間であるため、一定の潮の動きの条件の中でも仕掛けの投入回数ははるかに多くでき、より鮮明にエサの嗜好性を調べることができるはずだ。
そこで、キス釣りの場合と発想をかえ、赤イソメを使うときは2本のハリとも赤イソメ、イシゴカイを使うときは2本のハリともイシゴカイを刺して反応をみることにした。
当日の釣況
ハゼは全体的に食い渋っていた。ポイントを移動しながらハゼの魚影の濃いところを探し、そこで集中的に実釣テストを行う。
最初の1時間ほどは、1回の投入ごとにイシゴカイ→赤イソメ→イシゴカイとエサをかえて打ち込み、ハゼの釣れ方を調べた。いつもと違う釣り方をするので若干手返しが悪くなってしまう場面もあったが、そのテストの中で、イシゴカイの方が投入後に魚信が出るのが早く、また食い込みに勝っていること(ハリを飲まれることが赤イソメより多かったのでそう判断した)、逆に赤イソメはイシゴカイに比べより型のいいものがくるという傾向が鮮明に表れた(当日の最長サイズの15.5cmは赤イソメのエサで釣ったものである)。
次の段階では15分ごとに赤イソメのみ、イシゴカイのみという形でのテストを2回繰り返した。テスト時間を15分と短くしたのは、紀ノ川だけでなく大河川の河口部では、川の流れと潮の干満が複雑に絡み合うためか、潮流が比較的短い時間でかなり複雑に変化する。その中で、可能な限り同じような潮の動きの条件で2つのエサの比較を行いたかったためである。
全テスト終了後にイシゴカイによる釣果を入れたビニル袋、赤イソメによる釣果を入れたビニル袋の中のハゼを検量し、数と型を比較した。