ブラックバスなどの外来魚駆除において活用される「電気ショッカー」。高圧電流を流して魚にダメージを与える手法ですが、保護すべき在来魚も殺してしまうのではないかと不安になります。実際はどうなのでしょうか?
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
在来魚に影響はないの?
電気ショッカーは比較的高価な機器で、使用には専門の知識が必要であり、また手間もかかります。それでも外来魚駆除に電気ショッカーが用いられるのは「在来魚を傷つけずに、効率よく外来魚を駆除できる」ためです。
意外なことですが、実は電気ショックを与えても、魚がすぐさま死ぬということはないそうです。水中に流された電流は一瞬で水中に拡散し、あらゆる魚に影響を与えます。しかしその中でも、魚体が大きなものほど電気抵抗が大きく、感電しやすくなります。
その結果、在来魚より大きいブラックバスや、コイ科の大型魚が先に気絶するため、選択して漁獲でき、環境から除去することができるのです。仮に電流の影響が強く出て在来魚が気絶してしまった場合でも、しばらくすると意識を取り戻し泳ぎ始めるそうです。
個人での使用はNG
ただそれでも、電流が強すぎると在来種を含めて殺してしまったり、また生きていても背骨が変形するなどの悪影響が出る可能性があるというので、やはり扱いには注意が必要だと言えるでしょう。
また一般的に、池や川、湖などの内水面で電気を用いた漁法を行うのは法律または条例違反となるので、許可なく個人で電気ショッカーを使用してはいけません。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>