全国各地でブームとなっているタチウオのテンヤ釣りだが、パターンに合った釣りを展開できるか否かで釣果に差が開く。このため、状況ごとに釣り方とこれに適したロッドを使い分けていくのが今や鉄則だ。今回、アルファタックルフィールドスタッフの和田勝也さんの兵庫県神戸沖での実釣を通し、同社のNEWロッドとともに、釣り方とロッドの選択術について紹介したい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部・五井)
タチウオテンヤ釣りのだいご味
タチウオは動くものに強い反応を示す。このため多様な誘いを駆使したゲームになる。性質は獰猛だが神経質で、食い気が強い時はガンガンアタックしてくるが、反面スレるのが早く、時合いが終わると途端にナーバスになる。
ゆえに、タチウオの出方に合わせ、釣り人側が二の手、三の手で対応していく必要がある。魚との対話がタチウオテンヤ釣りのだいご味だ。
掛け&乗せの2タイプのロッドで攻略
タチウオテンヤロッドには掛け調子と乗せ調子がある。
前者は9:1の極先調子で、高い操作性とアクション伝達力、瞬間的なフッキングが得意。後者は7:3調子で、バイトしてきたタチウオに違和感を与えにくく、ゆったりとした誘いを行うのに適し、身切れやバラシを抑えるのに長ける。
神戸沖でタチウオテンヤ実釣
和田さんと神戸沖を訪れたのは8月22日。乗船したのは、兵庫県明石市にある明石浦漁港の丸松乗合船。タチウオやマダコ釣りなどで好評の船だ。
序盤、タチウオが高活性なうちに数を釣るべく、和田さんは掛け調子のロッドで積極的に誘い、掛けていく作戦でスタートした。
掛け調子ロッドで攻めの釣り
まず、手にしたロッドはアルファタックルの海人(かいじん)タチウオテンヤ 91 175H。9:1と極先調子のこのロッドは、アクション伝達力が高く、アングラーの意図した通りの動きをテンヤに与えやすい。テンポの速い誘いにピッタリだ。
開始後すぐ、状況について和田さんに説明してもらっている最中にヒット。難なく1匹目をキャッチし、このあともショートピッチジャークとストップを繰り返す手法でタチウオを連発していった。
スレた魚を掛け調子で攻略
やがて、時間の経過とともにタチウオの食いが緩慢になってきた。ちょっかいは出すもののガツンとは食い込まない。
この魚はバックで泳ぐのが得意。スレてくると甘噛みとバックをくり返し、テンヤが安全なものか確かめながらバイトするようになる。
そんな相手に対し、和田さんは掛け調子の真髄「電撃フッキング」で対抗していった。バイトを1回でも多くフッキングに変えるのが数を伸ばす近道だ。
深場の攻略にも有効
なお、こういった用途以外に91 175Hのような極先調子は、深場の攻略でも威力を発揮する。重いテンヤを背負い、ラインが長く出た状態だと、胴調子寄りのロッドはアワセがハリまで伝わりにくい。アワセの効き具合はもちろん、伝達が一瞬遅れることで、コンマ何秒のフッキングチャンスに間に合わないのだ。