簡単、釣りやすい、釣れた魚は美味しい。そんな4拍子の揃った釣りである穴釣り。この穴釣りはここ数日の「殺人的暑さ」を回避しながら手軽に楽しめる夕涼みの釣りにもってこいだ。今回は穴釣りが夕涼みのお手軽フィッシング向きの理由と、8月1日の福井県の敦賀~越前方面での釣行様子を併せて紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター永井航)
穴釣りの魅力
穴釣りの魅力は、なんといっても道具や仕掛けも非常にシンプルで少なくて済むことだ。穴釣りに使えるタックルに仕掛けを入れる小ケースにエサ、バケツで一丁上がり。
夕涼みがてらの釣りで沢山の道具を持って汗をかきながら釣り場まで行くのでは意味がない。この際はコンパクト具合にこそこだわりたい。まったりやるなら竿も1本で充分。
仕掛け
仕掛けに関しては、釣具屋には2-3本針の穴釣り仕掛けもあるが、基本は1本針のブラクリなどで充分。ブラクリ自体は丸オモリと針とわずかな糸で簡単に作れるが市販品でも2~3個入って3~400円程度で売られている。
個人的な感想だが、このブラクリが1番だ!みたいなものはないので購入するときは値段や好きなメーカーなどで選べば良いだろう。
自作する場合、メインターゲットによって針のサイズを選びたい。参考までに最もよく釣れるカサゴがメインなら針のサイズはそこまで気にしなくても大丈夫。30cm程のカサゴは成人男性の拳くらい口がガパッーと開くためその気になれば上のオモリごと丸呑みだ。
タックル
タックルは釣りの特性上なにかと傷付きやすいため、竿やリールは高価なものでなく、なんなら壊れても良いようなものでもいいだろう。専用のタックルもあったりするが、別になくても大丈夫。船の小物竿やルアーロッド、代用の幅はかなりあるといえる。
なお、穴釣りはテトラでの釣りが主体となる。滑りにくいブーツやワークシューズなどがオススメだ。
エギングポイント探しから
今回の釣行の主な目的は秋冬に向けてのエギングポイントの探索であり午後はそれに費やしつつ、日暮れ少し前からの釣りとなる。そのため午後は敦賀から越前方面へ航空写真で目星をつけては走るを繰り返し、それ以外でも良さげなところでは降りて様子見をしてみた。
それぞれ良さそうなポイントもかなりあったが当日は釣り人の姿はなく、海水浴場もまばらに人がいるだけの寂しい様子。しかしそれもそのはず。陽炎越しに見える路上の気温表示には39度の文字。海を覗き込むその動作が既に辛い。釣り人がいれば海底の様子や例年のことを聞けたりとした可能性があるだけに残念だ。
途中、我慢できず少し竿を出すとすぐにヒット。小型のカサゴをキャッチ。幸先の良さに期待が高まるもあまりの暑さにすぐ断念。
穴釣りのエサ
さらに移動を続け、日没の30分ほど前に今日の釣り場を定め釣り再開。今回は竿2本を用意。1本は置き竿、もう1本は手持ちで探り釣りに。
エサはアジの身エサ、イカの短冊、オキアミを用意。いくつかエサを用意し、反応の良さを比較するのも良いだろう。比較的貪欲な魚の多い根魚なので動物性の物なら割となんでも釣れる。やる気のある個体がいれば昆虫とかでも釣れるので、エサ切れの際は慌てずに周囲を見渡してみよう。
堤防やテトラを歩くカニはもちろん、フォルムやその素早さのため捕獲に若干の難があるフナムシは大人気。普段から落ちてくるカニやフナムシを食べている個体もいるはずだ。見慣れたエサには無警戒に飛びついて来て入れ食いになることもしばしば。
身エサも作ってしまえばコストは抑えられる。一般的にはサバやサンマがメジャーだが、ルアー釣りでスレ掛かったコノシロ、夏の痩せ細った微妙なサイズのサバ、ソーダガツオなどリリースしているその魚は身エサにできるのだ。機会があればそれらについても解説したい。
回収時にヒット
まずは手前から。と岸壁際にエサを落としいくと早速ヒット。リリースサイズながらカサゴ。ここの釣り場もしっかり釣れそうだと思い。少し離れたテトラに。手持ち竿で転々とある目ぼしい穴に潜んでいた何匹かのカサゴを釣り上げたところで水分補給。陽が落ちて風があるとはいえ、まだまだ暑い。
手持ち竿で遊んでいる間にすっかり忘れさられていた置き竿もチェック。竿先を動かさないように竿を持ち、居食いしていないか糸を指で弾いてチェックするも不発。
別の穴に場所を変えようと回収をし始めるとすぐにドスンと音がするような重いアタリ。飛び出しかけた「ウ、ウワァ」という情けない声をなんとか飲み込みスプールを抑えるも、狭いテトラの隙間を竿先が振り子時計ように暴れている。釣りの特性上、このまま魚にやらせる訳にもいかないので強引に引き摺り出すと勢いそのままにスポーンと抜きあげ。