憧れの魚・イトウを釣りに北海道を訪ねた。道北の河川をエサ釣りで探り、75cmのイトウをはじめイワナやニジマス、オショロコマをキャッチした3日間の釣行の模様をリポートする。
(アイキャッチ画像提供:刊つりニュース関東版 上谷泰久)
北海道で渓流釣り
事前の情報では災害級の雨が降り、本流下流域はかなり増水とのこと。とりあえず5月31日(火)、現地在住の友人と合流し、上流域に向かった。
イトウは中・下流域に生息する魚なので、この日狙うのはイワナとニジマス。友人に案内されたポイントは、まさに大型渓流魚の巣窟だった。
大型渓流魚が連発
本流竿を使ったエサ釣りで狙う。釣れる魚はすべて30cmオーバー!イワナはエゾイワナという種で、降海するアメマスとは少し違い、脂が乗って美味だと言う。
ニジマスはこの川に100年くらい前から生息している「春産卵の原種」で、本州で釣れるものとはまるで違う姿をしている。その完璧な魚体に驚かされた。
次々にヒットする魚に腕が痺れ、2時間で十分満喫。イワナは45cm、ニジマスは50cmが出た。当然、釣魚はその場ですべてリリースし、その日の宿に向かった。
増水を避けてイトウを狙う
6月1日(水)の朝まで降り続いた雨だったが、なんとか小降りになる。しかし本流中流域は濁り増水している。「この流れでは無理だ」と、友人はなんとか釣りが可能なポイントを案内してくれた。
イトウは底流しが基本。まずは友人がルアーで手本を見せてくれた。友人はポイントの見きわめが早く、あっという間に50cmほどのイトウをキャッチ。さっそく私も本流竿を伸ばし、挑戦する。
1時間ほどポイントを探しさまよった。川底は泥炭で、一歩一歩シューズが埋まる感覚、いわゆる湿原を流れているイメージ。するとやっとアタリが出た。掛かってきたのは大きなウグイ。この魚がイトウの存在を知らせるサイン。ウグイはイトウのエサなのだ。単純明解だ。
50cm級イトウ登場
ハリに太いミミズを4本房掛けにして、オモリが底を転がるようにゆっくり流れに乗せるとヒット。すごい重量感だ。体を大きくくねらせる迫力のファイトに圧倒されてしまう。しかしサイズは小型の50cm級で難なくゲット! 野性のイトウは保護すべき種なので、丁寧に扱ってリリースした。
湿原の原野を掻き分け上流へ進んだ。川にヤナギの枝が覆い被さるポイントで、友人が「ここはルアーで狙いにくく、エサ釣り有利だ」と勧めてくれる。
枝に引っ掛けないよう注意して流すと、鈍いアタリで目印が止まった。大きくアワせると、根掛かりしたかのような重量感。その直後、黄色っぽい巨大な魚体が姿を現した。「うわ、きたっ!」