黒鯛のヘチ釣りで春の乗っ込みシーズン序盤に悩むのは最盛期のようにアタリが少ないこと。どうアタリを出し釣果に繋げるか、あの手この手を試してみたくなる。1匹でも釣果に繋げるためにはどうしたらいいのか、今回はその乗っ込みシーズン序盤での攻め方について解説する。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター石田一聖)
釣れている場所
いくら地上はポカポカ陽気でもシーズン序盤の春はまだ水温が低い。しかし水温が低いながらも必ず釣れている場所があり、その周辺には毎年そのシーズンになると釣り人がいるので観察するといい。例年だと河口付近の防波堤などから釣れ始める傾向にある。
水温と場所に注目
水温との関係は特に魚の活動に影響がある。筆者が春に釣り始める場所は、すぐ近くに火力発電所がありそこから排水される温排水の影響と、河口から流れてくる豊富な栄養塩を含んだ真水とがぶつかり合う堤防。その付近にはその栄養塩を取り込む海苔やフジツボ、貝類が堤防や停泊している船のロープ。または岩などにたくさん付着し黒鯛はそれを主に食べている。
アオリイカが目安?
アオリイカのシーズンは黒鯛の乗っ込みシーズンと重なるため、防波堤にエギンガーが集結していれば大チャンス。アオリイカは低水温ではなかなか釣れず15℃以上の水温を好み3月から6月にかけ産卵する。堤防から水面を見ているとよく大型のアオリイカを見かけることがあるが、これと一緒に堤防際に黒鯛も見える。地面に墨が付いていればそこで黒鯛も釣れる目安に。是非探してみるといい。
乗っ込みシーズン序盤のエサ
やはり乗っ込みシーズン序盤で悩むのはエサ。セオリー通りであれば序盤なら岩ガニがメインになる。しかしこれが万能というわけでもなく、フグなどには一撃でやられる。釣れた黒鯛を持ち帰って胃袋を開けてみると海苔、スナガニやフジツボ、アケミガイなど様々な物を食べていることが確認できるが、どれが正解なのか分からない。
基本的には雑食なので何でも食うが、筆者はよくフナムシを使う。堤防でよく見かける不快な虫だがなかなか海に落ちない貴重なエサで、黒鯛にとってはご馳走なのかどのエサよりも反応が早く食いがいい。捕まえるのが難しいが、虫網などで捕獲可能なので是非試して欲しい。
落とし方や仕掛けについて
この釣りでは落とし方が一番大切な要素で、早すぎても遅すぎてもよくない。エサの重さやその時の潮の流れの速さにもよるが3Bのガン玉から重くするか軽くするかが基本。そこから自然落下で落としてアタればそのパターンでいいし、アタらなければリールを指で軽く押さえながらゆっくり落とす。
また、上層から中層にかけて数10cm間隔で刻みながら、黒鯛がいると思われるタナで止めて待つ落とし方などが有効だ。干潮になると底にいることがあるので一気に底攻めしてみるといい。その際は底から数10cm離したところで止めて待つ。