魚の中には一生の間に性転換を行うものが多く知られていますが、中には1日の間に何十回も性転換を繰り返す種もいます。にんげんからするととてもミステリアスな魚の「性転換」について、その理屈や理由を紹介します。
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一日に複数回性転換する種も
2016年には、性転換する魚に関するユニークな発見がありました。カリブ海などに棲むハタ科の熱帯魚「チョークバス」という魚についてのものです。
ハタ科の小型魚には日本近海にも多いサクラダイをはじめ性転換をするものがいくつか知られています。しかしこのチョークバスはなんと「20回以上」も性転換するのだそうです。しかもこれは「一生に」ではなく「一日の間に」だといいます。
この魚は繁殖活動の際、パートナーと互いの性を入れ替えながら交配します。基本的にどんな動物でも、生殖にあたっては産卵を伴うメスの負担が大きいのですが、このチョークバスはその負担をシェアすることで、パートナーとの結び付きを強めているのだと考えられているそうです。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>