毎年GW終盤ごろから乗っ込みクロダイも産卵に入り食い渋り傾向となります。そこで今回は「産卵期の食い渋り攻略法」を素材工房テスター2人に紹介していただきます。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部・横江)
食い渋る時期を攻略(橋爪佳則)
春も終盤になり産卵を終えたクロダイは産卵場所の近くで休み、体力を回復する傾向となる。一般的には、この時期は釣果が落ちる時期ともいわれる。しかし、早くに産卵が終わり回復している個体も見受けられる。このような個体は比較的サイズもよく、湾の出口付近の潮通しのいいエリアに居ることが多い。
この時期は湾内のカキ筏エリアは水温の上昇とともに中型のクロダイも活発になるので、数を狙ってみるのも面白い。しかし、この時期は水温の変化も多く、ちょっとした水温の差でクロダイの活性もかわるので、エサ取りが少ないようであれば底を意識しながら少し上のタナを狙ってみると好釣果につながることも多かったりする。
ダンゴを軸に釣る
私はどの場面でもダンゴを軸にして釣り進めていくのだが、クロダイの活性が低いときはさしエサを動かさずにインターバルを長く取ることも多い。逆に、エサ取りが活発であればダンゴからのエサ出しを遅めに調整し、サナギやコーンの硬いエサで待ちの釣りをしてみるのもいい。
ダンゴは素材工房のブルーステージプレミアムとレッドステージを1対1がベース。どこのフィールドでもこの組み合わせが多いが、水深がある釣り場では素材工房貝粉末で比重をつけるといい。またいわずと知れたバニラ粉末はクロダイの嗅覚を刺激するフレーバー。さしエサに付けると効果的である。
紫外線に注意
また、この時期注意したいのは紫外線。5月だからまだ大丈夫ではなく、しっかりと紫外線対策はしておきたいところだ。フィッシングパラソルはカカリ釣りでは必須アイテムの1つ。風も強いこの時期は風が抜ける構造の釣り用パラソルをお勧めしたい。
日焼け止めクリームもいいが、フェイスガードやラッシュガードは特に効果が高く、日焼けから肌を守り驚くほど釣行後の疲労感が少なく感じるのでお試しあれ。
産卵明けを攻略(橋本直)
ゴールデンウイークも終盤にさしかかると、例年この時期は産卵明けのクロダイも水温の変化(雪解け水の流入)などで一旦食いが落ちるといわれています。ナーバスな時期にゴールデンウイークで釣り人も増えてプレッシャーが掛かるのかもしれません。
ただ昨今、乗っ込みといわれる産卵前の荒食いも明確なものはなく、放卵も2~5月くらいまで見かけられますので一概には言えないかもしれません。
お勧めポイント
さてこの時期のお勧めポイントとしては、鳥羽本浦と五ケ所湾です。鳥羽は4月ごろからいい日にアタれば秋の数釣りのような釣果を得ることも多々あり、一旦深場に落ちたクロダイが浅場に戻ってきて食い始める時期です。
一方、五ケ所湾迫間浦はポイントも多数あり、浅場から深場までバリエーション豊富です。この時期はアソダ、ホシラなど湾奥のシャローエリアが特にお勧めです。
ダンゴの配合
ダンゴは年中同じ配合で、素材工房のイエローステージプレミアム1箱、煎りヌカ半袋、ガーリック粉末1袋、オキアミミックス2袋、海水2.5~3L。これで1日十分に対応できます。
またエサのチョイスですが、まだこの時期はエサ取りも散発的でアタればクロダイの可能性が高いです。ただ浅場だとフグも元気な場合があるので、いろいろなエサが必要かと思われます。メインとしてはボケ、オキアミ、シラサエビ、サブとしてサナギ、コーン。またマキエ、サシエにも使用できて必ず持っていくのはアケミ貝です。
ポイント作りがキモ
基本としてはボケ、オキアミで様子を見ながら釣りの組み立てを行っていきますが、ダンゴでしっかりとポイントを作っていき、アタリがなければステイでしっかりと間を作ることも必要です。
特に潮が速い鳥羽は潮下にクロダイが居る場合も多々あるので、ダンゴを打ち込みながら潮下も狙っていきましょう。アタリがないからといって何もしなければ釣果に結びつかないので、諦めずダンゴでしっかりとポイントを作って時合いに備えるのが大事です。
また、この時期は紫外線も強くなる季節。まだ暑くはないので以外に見落としがちだが日焼け対策もしっかりとしていきましょう。日焼け止めを塗ったり、昨今はパラソルなどで対応している釣り人も多いです。
一旦落ちた食いが戻ってくるのは例年梅雨の時期ですが、やはりこのアタリの少ないなか、試行錯誤しながら仕留めた1匹引はまた格別なものとなります。アタリがなくても諦めずに、しっかりと釣りを組み立て釣果に結びつけていきましょう。