原種ヤマトイワナが生息する長野県の木曽川水系は、険しい渓や山道が多い。近年は木曽川漁協の努力により、高原を流れる里川でも釣れるようになった。今回は、入渓しやすい支流を紹介したいと思う。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・井田泰司)
西野川
木曽川支流で険しい場所もあるが、開田高原付近は田園地帯を流れている。また下流には河川敷公園などがあり、川へのアクセスがしやすい。開田高原西野地区は適度な水量で河原が広く、のびのびキャストができる。
平川で魚影が薄いと思われがちだが、漁協の放流が盛んな地域で、瀬ではタナビラ(アマゴ)、エン堤下や岩周りからはヤマトイワナが顔を出す。ライズが多いのも特徴でここから下流の淵ではよくライズと遭遇する。
末川
西野川の支流でフライマンには有名。特に開田小学校付近では地元の子どもたちが遊んでいたり、道路を歩いていると地元の方とあいさつを交わしたりと、私が子どものころに体験したかった夏休みの風景。
平坦な流れではなく、ブッシュやエン堤、落ち込みがある。じっくりと攻めていると岩脇などでライズがあり、イブニングタイムにはフラット水面が大騒ぎとなる。
水生植物園から上流は道路から少し離れているが畑と護岸、低いエン堤とこちらも里川らしい渓相。ポイントごとにしっかりと魚がいるので、アプローチに気をつかって釣りをしているとエン堤下などで激しいライズを昼間から発見することが多いエリア。小野原地区で道路に戻れる。
末川支流の肥之沢川にも川沿いに道路があり、川幅は狭いがスポットを叩く釣りが好きな人にオススメ。段々畑の横をゆっくりと釣り歩くのが楽しい。
黒川
木曽福島から開田高原の途中にある支流。こちらも道路沿いで入渓点に迷うことがない。小さな岩が多くチャラ瀬の多い渓相なのでフライ向け。エン堤や淵でライズ待ちをする人も多い。
笹川
薮原駅近くの木曽川支流。ここも田んぼの中を流れている。フラットな流れでアマゴが多く、瀬からのハイスピードなアタックが楽しい。川通しで攻めずに農道を歩いてはポイントに下りて釣りをする、散歩のようなスタイルで楽しめる。
同漁協の管区は広く、里川でもヤマトイワナが多数ヒットして楽しめた。観光地でもあるので宿泊してゆっくりと特産のソバや郷土料理、温泉を楽しみながらの釣りができる。帰路には地元野菜の直売所が多数あるのでこちらも利用していただきたい。
<週刊つりニュース関東版APC・井田泰司/TSURINEWS編>