かつて磯釣りを賑わせたオナガ(尾長グレ)。最近は数、型ともに振るわなくなったためか、専門に狙う人が少なくなった。しかし、根強いファンもいる。今回はオナガ釣りの手順などを解説する。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター松田正記)
オナガとクチブトの違い
オナガはフカセで狙うクロ(クチブト)釣りの他魚として掛かることが多く、慣れてくると見た目で判断できる。いずれも名前の通りで、オナガは尾が長く、クチブトは口が太い。
どちらも時間帯によって釣れるタイミングがかわることが多く、オナガは朝マヅメ。特に夜明け前が一番で、日が昇るにつれてアタリが少なくなる。
一方、クチブトは日中によく釣れるので、朝はオナガを狙い、昼間はクチブトを釣る〝リレー釣り〟に臨む人も少なくない。
釣る時期と時間帯
オナガは、一年を通して狙えるものの、夜明けが遅い冬が釣れる確率も高い。その理由は単純で、日の出が遅い分、じっくり攻められるから。オナガを専門に釣る場合は、夜明け前から電気ウキ仕掛けで狙うことをおすすめしたい。
タックルと仕掛け
この時間帯に釣れるオナガのサイズは40~50cmと型がいい。サオは2号を選び、小~中型のスピニングリールを装着。リールには3号のミチイトが100mも巻いてあればOK。
これに浮力のある中通しの円すいウキを通し、ハリス3号、ハリ8号の順でセットする。ちなみにハリは南方グレなど、ヒネリが入っているほうが呑まれにくい。
エサと攻め方
仕掛けができたら、エサの準備をする。エサはオキアミ生のみで、配合エサを混ぜないほうがエサ取りも寄りにくい。
エサをまく際は、サオ下に少しずつまく。そしてハリにオキアミを刺す。なるべく大きいものを原型のまま付ける。
準備が整ったらサオを出す。早朝のオナガは磯際から離れない傾向にあるので、ウキの着水点は瀬際から1m以内。ここを2ヒロ前後のタナで攻めていく。
アタリとアワセ
アタリはウキがモヤモヤッと押さえ込まれ、ゆっくり消えていくパターンが多い。ここでアワセを入れると、既にハリを呑んでいることが多く、鋭い歯でチモトを切られてしまう。
そのため、前アタリがあったら〝即アワセ〟で口に掛けるイメージで。
タモ入れは1回
ハリ掛かりしたオナガは真下にグイグイ引く。ここは、しっかりサオでため、フワッと軽くなった時に巻き(リール)にかかる。その際、魚が横走りするので、強引に引き寄せず、優しくこっちを向かせるようにして浮かせる。
魚が浮いてきたらタモを持つ。大半の魚は水面を割ったら暴れなくなるが、オナガは再び走り出す。そのため、タモ入れは1回で決めたい。失敗した際は慌てずに再びやり取りする。ここで無理をすると、ハリを呑んでいた場合にチモトを切られるので、慎重に対応してほしい。