例年この時期キャスターを熱くさせるのが「落ちギス」だ。うまく群れをとらえることができれば型のいいキスを数釣ることができる。ただし、群れをとらえるのはなかなか難しい。今回はそんな落ちギスの群れの捉え方を実際の釣行を交え紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター牧野博)
落ちギス遭遇率アップ術
次に落ちギスとの遭遇チャンスを増やすためのさまざまな方法についても解説してみたい。
落ちギスとの遭遇条件
春先や盛期の釣行と異なり、落ちギスの動きはなかなか読めないが、これまで落ちギスの群れに遭遇した時の状況などを考えると、次のようなことが挙げられると思う。
1、落ちギスはある程度の群れで行動しているが、そのポイントはかなり局所的である。
ある程度のキス釣り可能な広いサーフのエリア、いいかえればキス釣り場として認識されているポイント(砂浜海岸、防波堤、磯周りの砂泥底などすべて含む)の中で、どこでも満遍なくアタリがあるのではなく、よく釣れるポイントは比較的限定されている。
2、落ちギスの群れはそんなに長くとどまっていない。せいぜい1週間程度ではないかと思う。
3、年内だとまだ海水温が高めなので、上げ潮時などはニアポイントに接岸していることもある。
遭遇しやすい釣行パターン
これらのことを考え合わせたとき、落ちギスに遭遇しやすい釣行パターンとして、次のようなことが挙げられると思う。
まず1つは、落ちギスが釣れたという情報を入手した時(落ちギス情報は、釣具店にはなかなか入ってこないが、例えば知り合いのアングラーの情報など)、もし釣行可能であれば、ポイントを確かめてできるだけ早く釣行してみるといい。
2点目は、自身の釣行メモなどから、過去に落ちギスが釣れた時期とポイントを把握していたら、一つの目安になる。直近の情報や過去のデータを参考にすることにより、ポイントを絞り込むことができる。釣行メモは釣り場を選ぶ時の目安になる。
3点目は、釣行して、魚信がないとき、周辺の状況を大きく見渡して、いま自身が釣っているポイントと条件の異なる場所があれば、即移動してサオを入れてみることをおすすめする。
例えば、水深のある波止や磯周りから投げていて、20~30分探ってもまったくアタリがないとき、徒歩で移動できる範囲に風裏になる小さな砂浜があったとすると、まず移動して投げてみるといったパターン。平成30年11月の田辺・芳養の釣行で、このパターンで良型をまとめ釣りした。
さらに、落ちギスの群れを探るには、できるだけ短い時間の間に広い範囲に探りを入れるようにするほうがいい。遠浅の砂浜などでも、近くに深場や磯場があれば、波打ち際に群れていることもある。水温が高めで推移しているならば、まず近投から探る方がいいだろう。逆に、水深のある防波堤などでは、潮の動きに左右されるし、寒くなった時などでは遠投のみで釣れる場合もある。
とにかく波口から自身の遠投可能なゾーンまで、広い範囲をできるだけ早く探り、ポイントまでの距離を突き止めてしまうことが必要である。
自身の少ない経験をもとに、落ちギスとの接近遭遇チャンスを高める可能性についてまとめてみた。落ちギスは良型をまとめ釣りできるまたとないチャンスである。本格的な水温低下までは、まだ時間があるので、チャレンジされてはいかがだろうか。うまく群れに当たると、忘れられない釣行になると思う
<牧野博/TSURINEWSライター>
紀ノ川河口
北塩屋海岸