大阪湾の秋のタチウオシーズンは、2020年が記録的不振の年となってしまった。不安と回復への期待とが入り混じった2021年シーズンを私見で振り返りつつ、終盤戦に入った時期の武庫川一文字での実釣レポートをお届けする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター伴野慶幸)
時合いに指4本級タチウオ
電気ウキ釣りの最初の付けエサに選んだのは、日中に釣れたウルメイワシ。釣り場で釣れた魚こそが最高のエサとばかりに、ほどなくしてウキがじわじわと沈み、そして深く沈み切った。
このアタリは空振りに終わったが、アタリエサはイワシで、タナは深めと、この日のタチウオ釣り方のパターンが読めた。タチウオテンヤは遠投し、十分に底に沈めてから、深めのタナを引く。
数回キャストを繰り返すと、突然ガクガクッという感触がサオに伝わった。大きくアワセを入れるとフッキングに成功。うねうねとしたタチウオ独特の魚信に心躍る。波止際に寄せてきたが、海面でバシャつく魚体の大きさに一瞬怯んだ。
そろ~りと慎重に抜き上げると、ステンレスの煌めきを放つ幅広の魚体が波止上で舞った。至福の喜びに浸りながら、首の骨を折ってしめ、指4本級のサイズだと証拠写真を撮って、獲物はクーラーの中へ。タックルとエサの選び方とタナの見極めが功を奏したようだ。
バラシ3回追釣ならず
周りでは大サバのタモ入れを助太刀してくれたルアーマンをはじめ数人がタチウオをキャッチしていたが、私はというと、例によってのへっぽこ釣り師丸出しの情けなさ。電気ウキ釣りはせっかくのフッキングも海面近くで無念のバラシ、タチウオテンヤもアワセに失敗と、3回あったアタリを逃してしまった。
短い時合いが終わった後は、活性は激渋の状況に。最終21時まで粘るも追釣はならず、タチウオ、大サバ、ガシラ各1匹の釣果で最終便に乗り込んだ。
乗船場に戻ると、好釣果の釣り人が武庫川渡船のスタッフの写真撮影に応じていた。日中の青物の釣果は目覚ましかったが、半夜のタチウオは好釣果の人でも二桁までは届かなかったようだ。タチウオの釣果がさらに上向くようであれば、再度挑戦したいと思いつつ、駐車場を後にして帰路へと車を走らせた。
<伴野慶幸/TSURINEWSライター>