空気が乾燥して気温が下がる冬は、干物作りに最適の季節。ぜひ試していただきたいので、釣った魚で干物を作る方法を紹介しましょう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター杉本隼一)
冬は干物作りに最適
空気が乾燥する冬は干物作りに最高の季節で、天気の良い日は絶好の干物日和です。外気温が低いおかげで干した魚が傷みにくいだけでなく、パリッとした上質な干物が出来上がります。
一方、夏は湿度が高く干物作りには不向きなうえに高い気温の影響で干した魚が傷んでしまうことも。日中の気温が上がる季節は暑さが落ち着く夕方以降に干す「一夜干し」がオススメです。
釣魚で作る干物の魅力
釣ってきた魚で作る干物の魅力は、自分のこだわりを詰め込めることです。自分で作った干物は不思議と美味しく感じられ、血抜きや下処理の程度によっては市販の干物を上回るものが作れます。
魚種や脂の乗り具合で漬け込む塩水の濃度や干し時間を調節して、自分だけのこだわりが詰まった干物を追求するのも楽しみの一つです。
人気釣りターゲットの中には干物にすると美味しく化ける魚も多く、代表的なものではカマスやアマダイが有名です。どちらの魚も身の水分量が多く淡泊な魚ですが、干物にすると余計な水分が飛びギュッと凝縮された旨味がジュワーッと口いっぱいに広がります。
干物の作り方
今回は身近な釣りターゲットのアジを使って干物作りの手順を解説します。
下処理と開き方
魚の開き方は腹から背に向けて開いていく「腹開き」と背から腹に向けて開いていく「背開き」の2種類が基本ですが、今回は比較的捌きやすい腹開きの方法を紹介します。
1、肛門からカマ下まで包丁を入れてエラとワタを取り除く
2、残った汚れと血合いを綺麗に洗い流す
3、肛門から尾びれ方向へ向けて骨に沿うように切れ目を入れる
4、中骨を撫でるように背側に向けて身を開いていく
※背側の皮を切らないように注意
5、頭部は縦に刃を入れて開く
6、形を整えて完成
漬け込みと天日干し
1、11~13%の塩水を作る
※脂が少なめの魚は塩を少なく、脂が多い魚は塩を多めに
2、ボウルや深めの容器に開いた魚と塩水を入れて30~40分漬け込む
※小さめの魚は漬け込む時間を短めに、大きめの魚は漬け込む時間を長めにする
3、塩水から引き上げ、流水で表面の無駄な塩分を洗い流す
4、表面に付いた水分をキッチンペーパーなどで拭き取り、干し網に身側を上にして並べる
5、魚に対してなるべく上方向から日が当たる場所で4時間以上干す
6、表面がしっかりと乾いたら完成
<杉本隼一/TSURINEWSライター>