メッキの回遊をチェックしにライトゲームに出かけた筆者。本命からの反応はなくヒットしたのは45cmチヌ。ライトタックルでのスリリングなキャッチ劇をお届け。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター森英雄)
45cmチヌ手中
幸いチヌはおとなしく寄せ波に乗ってくれたが、上半身(?)は陸に上がったものの下半身(?)は波に洗われるという中途半端な状態になった。ラインが太ければ強引にずり上げるところだが、そうはいかない。
ロッドを持つ右手でラインテンションを緩めないように注意しながら、ズボンのベルトループに引っ掛けてあったライトゲーム用のフィッシュグリップを左手で外し、そ~っとそ~~っとチヌに近寄ってグリップを口に掛けた。
フィッシュグリップを持って砂浜へとずり上げた魚は、腹回りが少し痩せているように見えるが銀ピカ・ヒレピンのきれいなマチヌだった。いつ見ても背びれをピンと立てたいぶし銀の姿は実にカッコいい。
魚体の下側になって分かりにくいが、ルアーのテールフックの1本がチヌの右カンヌキにガッツリと掛かっていた。
計測すると45cm。痩せ気味だったせいかもう少し長さがあるように見えたが、まあそれでも立派なサイズだと言えるだろう。
ライトタックルでドラグを効かせての慎重なやり取りだったのに、チヌのカンヌキを捉えていたフックは少し伸びていた。さすがのチヌパワーである。
ライトゲームの可能性
今回は狙ったわけではなくたまたまライトタックルでチヌが釣れたが、そのゲーム性の高さからライトゲームでチヌを狙うアングラーは増えているようだ。細いPEライン、細いリーダーで50cm近いチヌを狙う。それは確かにエキサイティングな釣りだと思う。
しかしチヌを狙うエサ釣り=フカセ釣りや紀州釣り、落とし込み釣り、かかり釣りなどでは(かなりやわらかい調子のサオを使うとはいえ)、ハリスはフロロカーボンの1.5号程度を使うことが多い。
今回ぼくが使用したラインはPEライン0.3号(6lb=1.5号)にフロロリーダー1.5号。ルアーフィッシングではライトゲームに分類されるかなり細いラインだが、PEライン、リーダーともに1.5号と、エサ釣りのチヌ狙いでは標準的な太さ(強度)のラインである。そう考えるとライトタックルでチヌを狙うことは、さほど無理のあることではないと言えるのかもしれない。
関西でハネ(フッコ)、スズキを狙う際の代表的な釣り方であるエビまき釣りでも、ミチイトはナイロンの3号程度のものを使うが、ハリスは1.5号~2号程度を使うのが標準的な仕掛けである。であれば、チヌ狙いと同様、ライトタックルでシーバスを狙うというのも十分アリな話だと思う。
というか、すでにライトタックルによるシーバスゲームの楽しさを発信しているアングラーもたくさんいるし、ぼく自身も60cm程度のシーバスまでならライトタックルで釣ったことがある。エギングに行くときにはタックルボックスにメタルジグをひとつは忍ばせておくというエギンガーの方も多いだろう。
ライトタックルを使ったゲームはアジングやメバリングなどにとどまらず、その可能性は今後もっともっと広がっていくのではないだろうか。
<森英雄/TSURINEWSライター>
明石川河口