今回は秋磯本場となる神奈川県三浦半島の地磯や岸壁で、クロダイを釣り上げるのに押さえておきたい攻略ポイントを解説しよう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター塩田哲雄)
秋磯のエサ取り対策
冒頭でも書いたように、まだエサ取りが非常に多い季節だ。まきエサをまいた分だけエサ取りが集まってくると考えた方がいい。では、どうエサ取りを避けてクロダイにエサを食ってもらうのか。
1、コマセワーク
一つ目は、コマセをまく位置をできるだけ潮流に影響されない所へ多くまいてエサ取りを釘づけにすること。もちろん本命を釣るポイントにもコマセはまくので、エサ取りは本命ポイントにも出て行くことにはなるが、エサ取りを集めるポイントと本命ポイントの距離をできるだけ開けることが重要。
エサ取り用のコマセは海面にバラけるように切って多めにまく。本命には固めたコマセをピンポイントで数回まいて狙う遠近打ち分けの方法が有効となる。半日分としてオキアミ3kg。配合エサはチヌパワー激濁り1袋、またはチヌパワー激重1袋。地磯だけでなく岸壁でも使いやすい。
2、豊富なさしエサの種類
二つ目は、さしエサの種類を多く持参すること。基本はオキアミだが、ほぼ秒殺でエサ取りに取られてしまうことの方が多いと思う。その対策として、少しでもエサ持ちがいいタイプのエサを用意しておくことが必要。
例えば、「くわせオキアミスーパーハード」のように生オキアミのようなプリッとした状態を保ちつつ、生オキアミよりはエサ持ちをよくする加工がされているタイプ。また、「荒食いブラウン」「食い渋りイエロー」「アピールホワイト」といったクロダイが好む成分配合のいろいろなタイプの練りエサが効果を発揮する。
使い方も簡単で、エサ取りが多ければピンポン玉くらいの大きさでハリに付けることもあれば、小指の先程の大きさでも十分なときもある。
それと、裏技として先にハリへオキアミを通し刺ししておき、オキアミが隠れるように練りエサでくるんで使う方法もある。
秋クロダイのタックル
私の場合、クロダイ狙いのサオを選ぶときに重要視していることは、確実に捕りに行くことより、クロダイの引きを思う存分に楽しみながらやり取りをするという点。0号クラスのサオで思いっきり魚の引きを楽しんでいる。ただし、タックルバランスをしっかり組まないとバラシが多くなるので気を付けたいところ。
ミチイト1.5号に対してハリスは1.5号。たとえ号数を落としても1.2号までにして、サオ操作は無理な動作は極力しないように、魚の引く力や走る方向を見極めながらの軟らかなサオの操作を心掛けている。
基本は円錐ウキ
また、使うウキであるが、基本は円錐ウキで大体は対応している。選ぶ号数も潮の速さ、狙う距離などその日の入った釣り場やその時間の海況状態を見極めて、大きさと浮力の号数を選んでいる。
それと忘れてはならないことは、海は刻々と変化する。風が吹き出す、潮の干満、サラシやウネリが強くなり出すなど変化する。一度組んだタックルはベストではない。組んだタックルがいまいち機能しないと感じたら、すぐに今の状況にマッチした仕掛けに組み直して攻めることを忘れないでほしい。
棒ウキも選択肢に
あとどうしても円錐ウキで対応できないときがある。海面が逆光で円錐ウキでは見えづらい。足場が低い場所で遠投したら見えにくい等々。そんな時は棒ウキが活躍してくれる。
魚の食いが渋くてアタリが取りづらいなら、ウキの浮力を極力抑えてウキトップが海面近くまで沈めて使うもよし。使い方次第と選ぶ号数でいろいろな状況に対応しやすいのが棒ウキの特徴である。