埼玉県寄居町にある円良田湖の宙釣りがトップシーズンを迎えている。概況、ポイントに釣り方とエサについて紹介するので、ぜひ釣行の参考にしていただきたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
円良田湖の概況
直近では大雨による水温低下の影響で食いが落ちていたが、晴天が続けば活性を取り戻すだろう。ここの魅力は何と言っても水深がたっぷりあること。長竿チョウチンでも底までははるかに遠く、コイにジャマされることも少ない。ダイナミックなアタリと良型の強引を、桟橋で手軽に楽しめる県内でも数少ない釣り場の一つだ。
8月18日現在、水位は超満水、水色はささ濁り。水温も例年の同時期と比べて低めでおそらく24~25度程度。
水温低下が影響しているのか、魚の活性はイマイチだが、それでも半日でいい人20枚前後は釣れていた。型はグッドサイズのなかに、中小ベラが交じる。型がそろわないのは釣り方の問題もあるが、活性低下の影響も少なからずあるようだ。
なお令和2年12月31日をもって、舟釣りでの例会(フラシ使用禁止)は不可となった。これはフラシによる魚の傷みを軽減させるため。桟橋での例会(フラシ使用)は可能だが、現場検量などくれぐれも魚保護に努めてほしい。
ポイント
常管、旅館前、梅林、梨の木など各桟橋および陸釣りは、管理事務所での受付後に入場が可能。
受付前の場所取りは固く禁止されている。また指定場所以外の駐車も厳禁だ。湖畔の道路は幅が狭く、無余地駐車はトラブルの元。
釣り方とエサ
盛期の円良田湖は、陸っぱりを除けば宙釣りがメイン。さらにほとんどの釣り人が、中長尺竿のチョウチン両ダンゴで狙っている。短竿はごくごく少数で、セット派も少ない。
あまりの長竿人気ぶりに、初めて同湖を訪れた人は戸惑うはずだ。短竿では釣れないの?そんなことはないし、そもそも竿規定は8尺以上(上限はなし)。釣況次第では上層タナのほうが型はいいことも多く、また食い渋ったらトロ巻きセットも有効だ。
ではなぜ、中長尺竿のチョウチン両ダンゴが主流なのか。桟橋に行けば一目瞭然だが、カギとなるのは同湖の透明度だ。直近では雨が多く湖水は濁り気味だったが、通常時は驚くほど透明度が高い。さらに良型主体で魚の学習能力が高く、浅いタナほど難しい。決まれば爆釣もあるが、ほとんどは一過性で終日コンスタントに釣るのはかなりの技量を要する。
ゆえに、これらを熟知している常連はハイリスクハイリターンよりも、両ダンゴでも口を使ってくれて終日コンスタントに釣れ続く深めのタナを選択する。これが長竿人気の最たる要因だ。もちろんたんに長竿が好きと言うのも理由の一つとしてはあるだろう。
ならば短竿はダメということはけっしてない。現に釣況次第では、短竿(浅ダナ)有利の場面が多々ある。たとえば晴天時なら朝夕マヅメ、曇天雨天時の気圧低下時、荒天で長竿が振りづらいなどの場面では、短竿の浅ダナ狙いやチョウチンが長竿をしのぐことも多い。
長竿は疲れるし、気難しい魚を相手にするのもゴメンだ。そんな人にはオススメなのは竿9~15尺のチョウチン両ダンゴ。この範囲であれば、腕に負担がかからず終日竿を振っていられる。しかも流れや風対策にもなる。このなかで曇天雨天なら、短めで晴天なら長めを選ぶ。
ダンゴのタッチはしっとりした軟ネバ系。糸を引くようにバラけさせ、あらゆる方向から魚がエサに興味を示すようにする。ナジミ幅の目安は3~4節。これ以上ナジませるとカラツンの要因になりやすい。
タナに入るまでに魚によってエサが削られ、食いごろサイズになれば理想的だ。魚にエサを削られやすくさせるには、膨らみも大切。ただしバラけ過ぎては元も子もない。練らずともタナまで持つように、増粘剤を含んだカクシンやカルネバをベースにして、ここにコウテン、凄麩、バラケマッハなどの開きを調整できる素材をブレンドする。なお釣況にもよるがブルーギルが多いときはボソっ気を少なくしたほうが無難だ。
浅ダナなら、チョウチンよりもエサの比重を軽めにする。ブレンド例はコウテン500cc+GTS200cc+水200cc。出来上がり直後は軟らかいが徐じょに締まってくるので、その後は押し練りと手水でタナまで持つように調整する。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>