伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「『一発』を使った角麸セット」。近年やる人が減ったこの釣りを再発掘してみよう。初回はこの釣りの魅力について考えてみよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース伊藤さとし)
角麸セットの魅力とは
「競技野釣りに熱中していたころの日曜例会なんかは、角麸セットでなければ勝てなかった時期もあったよね。今でも混雑すれば、この釣りが優位なのは変わらないんじゃないかな」
昔を思いだして熱く語るのもけっこうですが、この釣り方を知らない人も中にはいると思います。そこで初回は、角麸セットが何たるかや、その魅力について大いに語っていただけますか。
「角麸セットの魅力かぁ。それは何と言っても、寄せ効果とアタリのダイナミックさだろうね。何たってアタリのほとんどが、竿ツンに近い消し込みだからね。ゆえに竿の握り部分に尻手ロープを付けている人も多かったよ。油断していると、竿を持っていかれてしまうほどの豪快なアタリだからね」
たしかにツンとかチクッという動きも出ますが、それらはほとんどが空振りで、乗るアタリは消し込みばかりでした。
「記者さんもやったクチだね(笑)」
それはもちろん。日曜例会でしたし、釣り場のほとんどが準山上湖や山上湖でしたから。
「やっぱり角麸セットでないと勝てなかったのかな?」
いや、正確には角麸セットでも勝てませんでした(苦笑)。でもやってて楽しい釣り方でしたし、それなりにノウハウも学びましたよ。
強い寄せ効果
ところでなぜ、角麸セットでないと勝てなかったのでしょうか。昔は今以上に釣り人が多かったので、ヘラを寄せた者勝ちということだったのでしょうか?
「たしかにそれはあるよね。こっちは両ダンゴでやりたくても、隣に角麸セットの人がいると勝てる気がしなかった」
そのくらい寄せ効果が高いってことですよね?
「そうだね。ボソっ気のあるバラケをゴルフボールサイズで打ったら、そりゃあ魚も寄るよね。でも寄せるのと釣るのは別次元の話だから、角麸セットにだってそれなりのノウハウは必要だってことだよね」
たしかに。今は聞かなくなりましたが、昔はダンゴマンが『オレだって角麸セットをやれば勝てる』と負け惜しみの言葉をよく耳にしました。
「そうなんだよね。にわか仕込みで勝てるほど、角麸セットは甘くない」
でも近年はやる人がめっきり減ってしまいました。伊藤さんもそのうちの一人ではないですか?
「ホントだね。いろいろ事情もあるんだけど、たしかにやる回数は驚くほど減った。楽しい釣り方なんだけどね」
大きさは小と極小サイズ
勝つためだけでなく、楽しむための角麸セット。そのキモはどこにあると思われますか?この釣り方をやったことがない人や、はるか昔にやって忘れてしまった人のために、アドバイスをいただければ。
「たくさん釣るイコール楽しいと仮定するならば、やはりそれなりのノウハウを覚えて、それを実行することだね」
角麸セット特有のノウハウですか。代表的なのはバラケについてですよね、あとはハリスの長さや『一発』の大きさ(種類)ですかね。
「まあ他にもいろいろあるけど『一発』に関しては、昔は中とか大サイズなんかが発売されていたけど、現在は小と極小だけしか発売されてないんだ。残念だけど、これも時代の変化ってやつかな」
でも小と極小があれば、大方の釣り場はまかなえますよね。昔は小の2個掛けなんてのもやりましたし(笑)。
「そうそう。2個付けてる人もたしかにいた」
自分もそうでしたけど、角麸セットで釣れない要因の多くはバラケのタッチが合っていないか、ハリス段差でした。あとそもそも、タナが合っていなかったとか。ですので次回からは、この釣りのノウハウを徹底的に仕込んでください!
「昔に多くいた角麸セットの達人には遠く及ばないけど、自分なりに知っているノウハウを吐きだしてみるよ」
次回も「一発を使った角麸セット」です。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>
加須吉沼