気温や水温が上がれば上がるだけ状況が良くなるのが、クロダイ&キビレ(以降ひとまとめにクロダイと表記)のトップウォーターフィッシングだ。今回はこの釣りの基本を紹介する。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 大宮好騎)
水深1m未満の浅場を狙う
トップウォータークロダイ発祥の地である浜名湖を有する東海地方。三重や愛知で若干のポイントのクセはあるものの、具体的には水深1m未満の浅場で表層水温が25度以上。クロダイやキビレが目視で確認できるエリアであれば、大雑把にいえばどこでも楽しめる。
個人的には特に底質がカキ殻帯や砂泥質のポイントは高確率で、干潮時に干上がってしまうような干潟や小河川も◎。意外と身近なフィールドに生息する魚なので、「そ~いえばアソコの浅場でクロダイがたくさんいたな」と思うようなエリアがあれば試してみる価値大である。
注意点としては濁りと風波。キビレについては意外とコーヒー牛乳のような濁りでも水面に反応してくるが、クロダイは比較的クリア~ステインの水質で水面への反応が得られる。
波についても、ベタナギよりはそよ風程度であれば、ラインや人間の存在を消してくれるのでプラスだが、あまりザブザブな水面はルアーの存在感やミスバイトにつながるため、タイミングは見計らってほしい。
トップゲームの釣り方
先のポイント説明でも述べた通り、かなり浅い水深で成立することが多いこのゲームは、キャスト前とキャスト時のアプローチが命。浅場に差してくるクロダイはやる気はあるものの、水面より上に非常に警戒心を持つ個体が多いので、キャスト時には細心の注意を払いたい。
見えているクロダイやキビレに対しては、魚のいるすぐそばに投げるのではなく、魚がルアーに気づくギリギリの距離間でアプローチしたい。よく「クロダイは見えたけど投げたらすぐ逃げた」、「岸から見えたけどキャストする前に逃げられた」などの話を聞くことが多い。大方の場合はアプローチ次第で解決できるので、いろいろ試してもらいたい。
トップゲームのルアーアクション
ルアーのアクションについては、私のよく使う3タイプを例に紹介したい
プロップノイジータイプ
リップ付きスイッシャータイプのこのルアーは、最もクロダイトップにオススメなトッププラグのひとつ。特徴はただ巻きのみ(巻くスピードは適宜状況により)でバイトが出るうえに、ラインを水につけないでリトリーブできるので、ラインの存在をクロダイに気付かれにくく、ベタナギでクロダイの警戒心が強いタイミングに非常に効果的だ。
ペンシルベイト
バス釣りで使われるペンシルベイト同様、左右に首を振る連続ドッグウオークアクションで誘うのが基本。プロップノイジータイプよりもスローに誘うことができるので、プロップが引けない水面(波が強い)やプロップで反応がないときに試してもらいたい。
アングラーの操作次第で、首振り幅やダイビングアクションなど自由度が高いプラグなので、「釣った感」を味わえるのも魅力だ。
ポッパー
エビや甲殻類が多いエリアや水深が風ややあるとき、ストラクチャ―際などで移動距離を短くしたいときなどに活躍するタイプ。あまり強烈なポップ音を出すというよりは、優しい音で誘うとクロダイには効果的だと個人的には感じる。また、ミスバイトがこの3タイプの中で最も少ないので、ここぞのタイミングで出番が多い。
基本的には一定のリズムでポッピングを行い、バイトがあればそのままポッピングを続ける。または首振りアクションに変更して、次のバイトでフッキングさせるイメージを持ってもらうといいだろう。