今回はムギイカをスルメにする方法を紹介する。こう書くと釣り人は混乱するかもしれないが、何のことはない。ムギイカを使って乾物のスルメを作ろうというのだ。市販品とは一味違ったスルメを味わおう!
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)
ムギイカをスルメに?
今回はスルメイカの新子のムギイカを自家製のスルメにしてみたい。とはいっても、ムギイカを育てて大きくしてスルメイカにするというわけではなく、ムギイカを干して乾物のスルメにして酒のアテにしようという魂胆である。
近年日本近海のスルメイカは不漁が続いて価格が高騰しているようで、酒のツマミに好適な乾物のスルメの店頭価格もちとお高めである。ならばムギイカが大量に釣れたときは、自家製のスルメにしてみるのも釣り人として一興。ちょっとマニアックで日数を要するが作り方はカンタンだ。
釣り場での下処理
一般的に釣魚はクーラーボックスに氷や海水氷などで冷やして持ち帰るが、ムギイカなどのイカ類は身に真水や氷がじかに触れるのはNG。仮に魚と同じように氷や水に直接触れている状態で持ち帰ると、せっかく釣ったイカの鮮度が落ちてしまい水っぽく締まりのない残念なクオリティになってしまう。
なので、釣ったイカは釣り具メーカーのイカ専用トレーや、市販のザルやなどを使い水気をよく切ってチャック付ポリ袋などを駆使して、真水や氷にじかにイカの身がふれないように工夫して持ち帰ろう。筆者は100均の網目のトレーを活用している。たとえ乾物にするものであっても、なるべくいい状態で持ち帰りたいものだ。
スルメの材料と道具
まずは材料から。
・ムギイカ 9杯(好きなだけ)
・水 1L
・塩 40g
続いて必要な道具を紹介する。
・包丁(キッチンバサミでもいい)
・ボウル
・ザル
・干し網
Point:作る量は使用する干し網の大きさを前提にすると無駄なく作れる。最近は100均でも干し網が売られている。
スルメの作り方
1、ムギイカを一杯ずつすべて皮付きのまま胴体のエンペラのついてない側にたてに包丁かキッチンバサミを入れて切り開く。
Point:キッチンバサミで捌くとかなりラクチン。
2、ムギイカを一杯ずつすべてイカワタ、ナンコツ、ゲソを取り外して、流水できれいに洗う。
Point:今回はゲソを取り外したが、もちろんゲソ付きにしてもいい。また、イカワタとゲソは使わないが、どちらもいろんな食べ方ができるのでぜひ捨てずにキープしておこう。
3、ボウルなどで水1Lに40gの塩を溶いた塩水を作り、イカを10分以上漬ける。
Point:漬ける時間は好みで調整しよう。
4、イカをザルなどに上げて水気を切る。
5、イカの水気が切れたら干し網に並べて風通しのいい場所に干す。屋根があり、雨が降っても濡れない場所がいい。
Point:フタのないザルや洗濯干しに干す場合はハエなどの虫が付きやすいので対策を講じたいところ。となるとやはり虫を防げるファスナー付きの干し網が無難。
6、あとは食べごろになるまで何日か待つのみ。ときどき様子を見よう。
Point:半日くらいでやめれば一夜干しになる。今回は梅雨時で晴れ間がほぼなく10日間干し続けた。一夜干しでも炙って食べられるので、好みの乾燥具合や硬さになれば完成。水分が少なく乾燥しているほど保存が効く。
食べるときは、軽く炙って七味マヨが定番。ムギイカは身が薄くやわらかいので、市販のカチカチのスルメとはひと味違う。自家製なので化学調味料や食品添加物も一切に入っていないが、お酒の飲み過ぎにはご注意を。
せっかく釣ってキープした釣果はできるだけおいしくいただこう。
<宮崎逝之介/TSURINEWSライター>