20年以上もの間、月イチで毛蟹を茹でて捌いて喰らうことを自らに課してきた筆者が、よりおいしい活毛蟹の選び方・茹で方・捌き方をお伝えしたいと思う。第1回目は「目利き編」。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)
活毛蟹の目利きの6つのポイント
活毛蟹とは文字通り生きている毛蟹のことだ。もしも活毛蟹をじかに選べる千載一遇の幸運な機会に恵まれたのなら迷わず即買いしたい。その日のための目利きのポイントを紹介しよう。
1.甲羅や脚が硬い毛蟹を選ぶ
これは最も重要なポイント。実際に手で触れて確かめてみよう。甲羅や脚が軟らかい毛蟹は脱皮したばかりの毛蟹で、見た目には分からないが中の身が痩せているものが多い。脚の殻が軟らかいものは茹でた後包丁で切ろうとすると切れずにクシャっと潰れてしまう。こういう蟹は買わないようにしたい。
2.重量感があるものがいい
カニは厄介なことに生きていれば新鮮で高品質という訳ではない。カニの「生き痩せ」とも言われるように、生きているものでも長く生けすにいたものなどは殻の中の身が痩せていく。なので、実際に手に持って重量感を確認しよう。大きさが同じくらいのカニなら重量感のある毛蟹ほうが身が詰まっているのである。
3.脚が太く、全部揃っているものを選ぶ
たまに脚が1~2本欠落している毛蟹が売られていることがあるので、しっかりチェックしよう。同じ値段なら脚が全部揃っている方が食べる部位が多いことになる。
また、脚が太い方がそれだけ身が多いことになる。小ぶりな毛蟹などは一見立派そうに見えても、よく見ると脚が華奢で食べるところがなさそうなものもあるので注意いただきたい。
4.力強さの感じられる元気な毛蟹
力強さが感じられる毛蟹とは生きている蟹の甲羅をつかんで持ち上げたときに脚の関節に力が感じられる毛蟹です。衰弱している毛蟹は生きていても脚がだらんと垂れ下がります。
5.大きさ・重さの目安
毛蟹は大きすぎる老ガニは味が落ちると言われるが、筆者はそんなに大きな毛蟹を購入した経験がないのでコメントは控えたい。筆者は一人ですぐに食べきることを前提にだいたい400gから500gくらいの毛蟹を好んで買っている。350g以下は脚が細く食べる部位が少ないものが多いように思う。
6.価格の目安
価格は同じような毛蟹でも店舗や地域や時期などによって千差万別である。値段が高ければ品質がよいという訳で決してはないため、目利きが重要になる。筆者としては500g前後の上等な活毛蟹が千円台なら即買い。2千円台はぎりアリ。3千円台ならどうしても食べたいときだけ買う。4千円以上はなし。
個人的な感想だが、20年以上購入価格はかわっていないように思う。百貨店の北海道物産展などは冷凍モノで高価なので基本買わない。一番価格が高騰するのはやはり年末だがこの時期は管理の難しい活毛蟹を売り場で見かけることはほぼなく、冷凍ものしか入手できない。残念無念だが、正月は冷凍モノで凌ぐのが定番である。
なお、店頭に並んでいる毛蟹に触れる場合は必ずお店のかたの許可をもらいましょう。
いかがですか。これで毛蟹選びはもう迷いませんね。
<宮崎逝之介/TSURINEWSライター>