中深海ジギングを代表するターゲット・アカムツをジギングで狙う上で、イメージを構築することは非常に重要です。ここではアカムツを手中にするための基本戦略を考えてみます。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター堀籠賢志)
中深海でのジグの動き
東北のアカムツジギングでは、150mほどの水深がポイントになることが多いです。150mものラインをリールから出して、ジグを操作しようとワンピッチジャークやジャカジャカとロッドを煽っても、150m先にあるジグは思うようには動きません。
なぜか?
一般的なPEラインの伸び率は5%。この数値はPEラインの原糸での伸び率ですので、8本撚りなどで製品化された商品は、より伸び率が高くなります。5%だとしても、150mで7.5mほどラインが伸びる計算になります。
ロッドを下限から上限まで振り上げてもせいぜい3mほどしか、ロッドティップの移動距離を稼げませんので、ジャカジャカとロッドを激しく上下させても、ジグが動かない理由となっています。つまり、ラインの伸びにロッドからのジグへの入力が吸収されてしまうためです。
スローピッチジャークが効果的
スローピッチジャークならどうか?ゆっくりとロッドを持ち上げて、ロッドティップが抵抗を受けて曲がり込みます。そのまま上限までジャークアップして上限で止めます。すると曲がっていたロッドティップがゆっくりと真っ直ぐになってジグを動かします。腕の力でジグを動かすのではなくて、あくまでもロッドの弾性を利用してジグを動かすことが大切です。
ロッドを引き上げてくる段階でラインの伸びを受け止めて、伸び切ったラインが戻ると同時にたるみがなくなったラインを通してロッドティップが返ることでジグが楽に簡単に動きます。このように、ジャークアップ後の上限でのポーズと、ティップの返りがスローピッチジャークでは大切になってきます。
水深が深くなればなるほど、このポーズとティップの返りは遅くなりますが、とても大切なことです。慣れないうちは振り上げたロッドティップがしっかりと真っすぐに戻ることを確認することをお勧めします。
ロッドティップが戻らないうちは次の動作に入ってはいけません。ティップが返ることでジグが動くのですから、ティップが返らないウチにロッドを操作すると、ジグはいつまで経っても動かないことになりますので注意が必要です。
アカムツ狙いの基本戦略
基本的なロッド操作ができるようになったら、いよいよアカムツを狙うための基本戦略です。
「難しくて面白い「東北アカムツジギング」入門:青物狙いとはどう違う?」で解説したように、アカムツはほとんどの場合、ボトム付近で潮に流れてくるエビや頭上を通るホタルイカ、キュウリエソなどを捕食しています。
あまり大きなアクションはとらずに、ジッと存在を消して獲物を待っているはずですので、基本はジグを動かすことを意識するよりはアカムツの鼻先にジグを送り込むイメージで釣りをするのがいいと思います。どちらかと言えば、エサを付けたハリ(ジグ)をコントロールして魚の鼻先に持っていくイメージの方が実際の釣りのイメージに近いように思います。
狙いはボトムから3m
このジグをコントロールして、魚の鼻先に持っていくのは、簡単な操作ではありません。ベタ凪なら操作しやすいですが、大概は波がありますし、船下にジグがある場合とジグが船から離れている場合でもジグの着底感はかなり違ってきますので、上手くコントロールするのはなかなか難しいです。
もちろん、ジギングはロッドを上下にジャークアップしないとジグはアクションしませんので、スローピッチジャークを繰り返しながら、アカムツの鼻先にジグをコントロールすることになります。
この操作をボトムから3mまでのレンジでリールの巻き、ピッチを刻みながら探っていきます。つまり、アカムツが居るであろうボトムから3mまでのレンジを、ジグを上下させながら探ることになります。時には大きくジグを動かし、または小さく動かしてアカムツを誘っていきます。
アカムツのバイトはほぼフォール中、もしくはフォールで食ってジャークアップした時にアタリが出ることが殆どです。