人気沸騰のイカメタル。ゲームの発展とともに、タックルもスッテも大きな進化を遂げたが、使用するリグもしかり。今回、金属ラインを素材に使用した革新的なイカメタル用リグを福井県敦賀沖での実釣とともに紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部・五井貴矢)
チタンリグシステム
さて、ここから今回使用しているリグについて、ベールを剥いでいこう。
そのリグは、吉見製作所が展開するルアー用品ブランドBaefeel(ベイ・フィール)の「チタンリグシステム」。形状記憶合金を素材に使用したリグで、昨年初期モデルが発売され、リニューアルモデルがこのたび発売された。
金属ラインのメリット
金属ラインといってもイメージできる人は少ないだろう。釣行時のメリットを具体的に紹介しよう。
1.アタリを取りやすい
金属ラインは低い伸縮性と、繊維自体に強い張りがあるのが特徴。チタンリグシステムはこれを素材にしているため、小さなアタリも鋭敏に伝わるのだ。
2.仕掛け絡みが減少
ここはイメージしやすいかもしれないが、金属ラインは張りがある。そのおかげで仕掛け絡みのトラブルも少ない。
まったく伸びないというと、イカの身切れが心配になるが、このリグに使用されている金属ラインは、強い力で引っ張ると伸縮する。
3.細さも強み
また、このリグには、2つの太さがあり、それぞれ線径0.2mmと0.25mm。イカメタルのリグでよく使われる3号のモノフィラメントラインの直径0.285mmと比べ、ひと回り以上細い。潮を受ける表面積が小さい分、潮流によるリグのたわみが抑えられアタリを捉えやすい。このことは、速い潮流下でのゲームや、ヤリイカなど深場を狙うゲームで大きなアドバンテージとなるだろう。
4.歯のある魚も怖くない
さらに、金属と聞いてピンときた人も多いと思うが、このリグはスッテやドロッパーを奪っていくサゴシ(サワラの若魚)やエソに対する防御力も備えている。これらの魚が掛かってしまうと、スッテやドロッパーをボロボロにされるのは避けられないが、フォール中に為すすべもなくスパッとやられる悲劇は、かなり防げるだろう。
5.仕掛けがヨレにくい
金属ラインはクセがつきやすく、よじれると破断するというイメージがあると思う。だが、このリグに使用されているのは形状記憶合金なので、繊維自体に復元力がありヨレやクセがつきにくい。さらによじれを徹底排除すべく、リグの先端はスナップ付きサルカン、エダスは回転ビーズとサルカンでよじれを逃がす構造だ。