カサゴは釣り人にとって馴染み深い魚だ。どういうエサでもルアーでも釣れる。そして通年釣れる。そんな釣り人目線での大衆魚が、なぜ市場では「高級魚」とされるのだろうか?
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
釣魚は基本的に売れません
カサゴが1kg955円!?旬はもっと高くなるなら、冬はガチガチにカサゴゲームして朝市場に売りに行こう!なんて安直に思ってはいけない。釣魚は基本的に買い取ってもらえない。以前、私の知り合いが同じく高級魚といわれる大きなシーバスを釣って明石の朝市に持っていったところ、「100円ならいいけど」と言われたそうだ。
漁業組合などに入っていないと釣魚は買い取ってもらえない。逆に言うと、そのような組合に入っていると、釣魚は底引き網で引いたものより高く買い取ってもらえるようだ。底引き網で引いたものは、魚体同士が擦れ合いながら窒息死して上がってくる、いわば野締めの状態。
その点、釣魚はハリが口に掛かっただけで、活かしで持っていくこともできる。そのような魚だけを買い取るお店やお寿司屋さんがある。
淡路島の沖合で釣れるよく肥えたブランドアジは、漁師に釣られてから板前のところにいくまで、誰の手にも触られない。アジにとって、人間の手は火傷に近いので、身が悪くなるからだ。そのブランドアジ1匹のお値段やいかに…。漁師さんのみぞ知る。
釣ったカサゴを食べてみよう
閑話休題。話をカサゴに戻すと、底引き網には入らないゆえに高級魚という一面も持つカサゴを、海の釣り師は釣ってしまえば特権的にタダ同然で食べられる。高級魚カサゴは釣って売ろうなんて邪な気持ちをは捨てて、釣って食べてしまおう。
筆者はフライやお味噌汁、煮付け、塩焼き、刺身などで味わっている。刺し身はきれいな白身で、格別の味わいだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>