今回の「フライお得帖」は、雉の尾羽を使った名鉤『フェザントテール・ニンフ』の自作方法を解説。10円以下で作れるとなれば一度試すしかないだろう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター浅暮三文)
色々使えるフェザントテール
フェザントテールとは雉の尾羽のこと。今回のようにボディ材に使ったり、テールに使ったり、ウィングケースにと工夫次第で用途は多彩です。
この材料は、ただの雉の尾羽のはずなのに、ボディ材として巻いてみると妙に昆虫感が出るものです。もちろんそれを最初に発見したのが英国のフランク・ソーヤーという名人。名鉤フェザントテール・ニンフの生みの親であります。
今回はオリジナルを少しアレンジして、フェザントテールのみで巻きたいと思います。その方が簡単で安上がり。効果はかわらないと思います。
生みの親「フランク・ソーヤー」
英国のニンフ・フィッシングの名人フランク・ソーヤー(1906-1980)。ドライフライのみ許可というエイボン川の河川管理人だった彼は、グレイリング(和名カワヒメマス。スイカのような香りがするらしい)を除去する能率的な方法を探す内に、ニンフ・フィッシングにたどりついたといいます。多くのニンフの技術や理論はソーヤーから発せされているといっても過言ではないでしょう。
その彼のフェザントテール・ニンフはスレットを使わずに細い銅線のみで巻かれるのがオリジナル。でも今回はオモリの役目を果たす銅線を使わずに普通のニンフとして巻きます。というのも、そうした方がオモリで沈めたり、表層を流したりと使い勝手がいいからです。
フェザントテール・ニンフの巻き方
では、フェザントテール・ニンフの巻き方を紹介します。
材料
必要なのはとフェザントテールのみ。フェザントテールはフライ専門店で買うと安くて700円。そこで貧乏釣り師は手芸用のネット販売を利用します。するとアクセサリー用が1本150円だったり、10本149円だったり。これを使わない手はありません。どちらでも結構ですが、安い方がいいかな。色もいろいろあるし。ぜひ、お調べを。
巻き方
1.フックにスレッドを下巻きしてフェザントテールのテールを留める(左右同数の本数)。ボディ用のフェザントテールの束を留めて体節を作るようにハリの中ほど巻く。
2.ウィングケース用のフェザンドテールの束の先をお尻に向けて留める(最後に折り返してレッグとして活かすので長さを考慮)。ボディ用のフェザントテールを前に持っていってソラックスを作る。
3.ウィングケース用のフェザンドテールをかぶせ、レッグとしてアイの後で左右に流し、巻き留める。ヘッドを作って完成。