フライフィッシングのラインはどれも高額なのがネック。そんな悩みを解決する「庶民派アイディア」として、今回は100均アイテムでのフライライン自作を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター片桐真流)
フライラインの種類
一般的なフライラインは、コアと呼ばれる芯と、それをコーティングするPVC(ポリ塩化ビニル)などの樹脂で出来ており、コーティングの厚みを変えることによって太さを変え、組み合わせることで形成されている。
通常のフライラインは、フィールドや対象魚などの用途により使い分けが可能であるが、芯となる素材には主に3種類が挙げられる。
ブレイデッドコア
最も一般的に使われる素材で、ヒモ状の芯の内部に空気を含み浮力が得やすく、フローティング(浮く)ラインに使用される。伸縮が少なくて柔軟性があるので、寒冷なフィールドでもしなやかさを維持する特徴がある。
モノコア
透明ナイロンの芯でシンキングラインに使用される。程良いの伸縮性と強度がありラインを細く仕上げられ、直進性が良いのでキャスティングしやすい特徴がある。
ブレイデッド・モノコア
ナイロン編みのヒモ状の芯でハリやコシがあるので、フライラインの直進性が高くてターンオーバー性能が強い特徴がある。
シルクライン
1960年代以前のバンブー・ロッド(竹のロッド)時代から職人が伝統的な製法と最新の技術で製作するシルク(絹)を使用したラインで、空気抵抗が少なく浮力と飛距離があり、しなやかなターンオーバーと振り心地を楽しめるビンテージライクなフライラインである。
高額であるが愛用者も多く、ラインにオイルを染み込ませる「グリスアップ」のメンテナンスが必要であるが、この面倒な作業を楽しむことによりフライラインを「育てる悦び」を得られるラインである。
フライラインの規格
フライラインの規格にはAFFTA(American Fly Fishing Trade Association)というアメリカの団体が定めた重さの規格があり、グレインという重さの単位で表される(1グレイン=0.0648g)。
フライラインは、エネルギーをスムーズに先端のフライに伝達するためにテーパー(徐々に先が細くなる)が付けられ、テーパーを変化させること(ウェイトフォワードやダブルテーパーなど様々)でフライライン特性が出てくる。
また、技術進歩によって、従来のツルツル表面のフライラインだけではなく、様々なコーティング加工により、摩擦抵抗を軽減した表面加工ラインも存在する。
100均素材の「リリアン」で自作
今回は表記したフライライン各種に近い振り心地を楽しめるようなラインを100均素材の「リリアン」で自作してみる。
既にリリアンライン製作を実践されている諸先輩もいらっしゃるので、文献を色々と参考にさせて頂いたが、当方もヤマメ、ニジマスなどの渓流魚から、オイカワ、カワムツなどの小物遊びに対応出来るライン製作に挑戦をしてみようと思う。