フライお得帖:簡単に巻けて「10円以下」で作れる『スキューズニンフ』

フライお得帖:簡単に巻けて「10円以下」で作れる『スキューズニンフ』

今回の「フライお得帖」は、ウェットフライである『スキューズニンフ』自作方法を解説。材料はシンプルで、作成方法も簡単。さらにコストは10円以下と、市販の完成品の20分の1。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター浅暮三文)

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浅暮三文

浅暮三文(あさぐれ・みつふみ)小説家。第八回メフィスト賞、第56回日本推理作家協会賞を受賞。日本推理作家協会、日本文芸家協会員。産経新聞書評担当。

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ルアー&フライ トラウト

スキューズニンフとは?

フライフィッシングが英国発祥なのはご存知の通り。当時、使われていたのはウェットフライです。人間が水に入るのを嫌うように魚も水から出るのを嫌います。つまりドライフライに比べて水中のフライの方が鱒にとっては安心できるのです。それだけに喰いやすい。

釣り場に立った際に、鱒の反応を見るために投げ入れるフライをパイロットフライといいますが、私はこの水先案内人にスキューズニンフを使います。古典的ですが、とても簡単に巻けて機能的で手軽。ドライフライでいうところのメイフライ、カゲロウの幼虫を模したパターンで水流に乗って自由遊泳をするスイマーのタイプです。

スキューズニンフの発祥

このすぐれたニンフパターンを考案したのは英国のジョージ・E・スキューズ(1858-1949)。弁護士にして「ニンフフィッシングの父」と呼ばれた名人です。

スキューズは観察の結果、メイフライが幼虫あるいは羽化のために水面に向かうイマージングの段階で鱒に捕食されることを把握しました。そのためニンフフライにオモリをかませることをせず、深く沈めることはなかったようです。このフライも流れの表層の裏を泳がせるように使います。もし沈めたかったらティペット(ハリス)の方にオモリをつけましょう。

スキューズニンフの巻き方

それではタイイングです。使うのはやや大きめのハリ。今回はバーブレスのマルトミNo.c47、14番。ボディ材はピーコックのみとします。オーストリッチやフェザント・テールのみでもいいですし、ダビング材を併用してもいいですが、単価が高くなるし、面倒なので私はピーコックやフェザント・テールだけで済ませています。後はワイヤー(針金)もしくはティンセル(金属箔)です。

(1)ハリに下巻きした後、ハリの真ん中にピーコックを留める(偶数がよい。今回は4本)。前方のピーコックはアイから少し出るぐらいにする。

フライお得帖:簡単に巻けて「10円以下」で作れる『スキューズニンフ』工程(1)(提供:TSURINEWSライター浅暮三文)

(2)ハリのお尻までスレッドを持っていき、テール用のピーコック数本(今回は3本)とワイヤーもしくはティンセルを取り付ける。

フライお得帖:簡単に巻けて「10円以下」で作れる『スキューズニンフ』工程(2)(提供:TSURINEWSライター浅暮三文)

(3)スレッドにピーコックを縒り付け(切れやすいので注意)、真ん中までボディを巻き、ワイヤーもしくはティンセルで体節を作る。

フライお得帖:簡単に巻けて「10円以下」で作れる『スキューズニンフ』工程(3)(提供:TSURINEWSライター浅暮三文)

(4)スレッドに縒り付けたピーコックを留めたピーコックの前に持っていき、ソラックス部分を巻く。

フライお得帖:簡単に巻けて「10円以下」で作れる『スキューズニンフ』工程(4)(提供:TSURINEWSライター浅暮三文)

(5)最初に取り付けたピーコックをソラックスにかぶせてウィングケースを作り、前方に出ているピーコックをアイの後で整えて巻く。これはアンテナやレッグの役割する。

フライお得帖:簡単に巻けて「10円以下」で作れる『スキューズニンフ』工程(5)(提供:TSURINEWSライター浅暮三文)

(6)完成。

フライお得帖:簡単に巻けて「10円以下」で作れる『スキューズニンフ』完成(提供:TSURINEWSライター浅暮三文)

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