魚釣りの際、気になるのは当日の潮。大潮だとよく釣れて、小潮は釣れないと思っている人も多いのではないでしょうか。
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潮汐とは何?
海面が高くなる「満潮」、逆に低くなる「干潮」。月の引力により起こる現象で、地球の自転に合わせて一日の間で満潮と干潮は2回ずつやって来ます。
この時の海面の高さの差を「潮汐(ちょうせき)」や、「干満(かんまん)の差」と言います。
一般にこの干満の差が一番大きい日を「大潮」、反対に一番小さい日を「小潮」と言います。
大潮の日は潮の流れが速く、大量の海水が入れ替わるため「サカナがよく釣れる」と言われることが多く、小潮だと「サカナが釣れにくい」と言われることが多いです。
潮には他にもいくつかの種類が
潮は新月から満月を経てふたたび新月に至るまで、大潮と小潮を含めて大きく5つに分けられています。
サカナの活性に関係があるのは間違いありませんが、それぞれにイメージが付きすぎてしまっているのも事実でしょう。まずはそれぞれの潮についてご紹介します。
大潮
干満の差が激しく、満月や新月の前後5日間ほどになることの多い潮回りです。
大量の海水が移動するためプランクトンの量が増えて魚の活性が上がり、一般的に「サカナが釣れる」潮回りだと言われています。
中潮
新月と満月の大潮の前後に2日から4日ほど回ってくる潮で、干満の差が小潮と大潮の間くらいの潮回りです。
それなりに海水も動くため、サカナは釣れるイメージの方も多いかもしれません。
一般的には小潮→大潮に向かう中潮よりも、大潮→小潮に向かう中潮の方が釣り人には好まれています。
小潮
干満の差が少なくなり、半月(上弦・下弦とも)の時に起こる潮回りです。海水の動きが少ないためサカナの活性が上がらず「魚が釣れない」潮回りだと言われています。
中潮が大潮の前後にあるのに対して小潮は半月の頃に訪れます。
長潮(ながしお)
半月(はんげつ)の小潮を二日ほど過ぎ、干満の差がいよいよ無くなる小潮の最後あたりの潮回りです。
釣りをする上で「長潮かぁ」と釣果に期待できず釣行を渋る人が出るほど、釣れないイメージがあります。
この後解説する若潮の前に1日だけ来ることの多い潮回りです。
若潮(わかしお)
小潮、長潮と潮の動かない状態から大潮に向かい徐々に潮が動き始める潮回りで、「潮が若返る」ことから若潮と呼ばれています。新月と満月に向けて新しい潮が入って来る良いイメージがありますね。
若潮の後にやってくる中潮の日に釣りをすると釣果に繋がると言われること多いです。
釣りやすいタイミング(時合い)
魚釣りをしていると「時合いが来た」と耳にすることも多いと思います。時合いというのは簡単に言うと「サカナがよく釣れる頃合い(時間帯)」のことです。
潮が動くことで海水中の栄養分が巻き上げられプランクトンが大量発生し、それを求めた小型のサカナの活性が高くなります。そして、その小型のサカナを求めて大型のサカナの活性も高くなります。
活性が高くなるとサカナは釣れやすくなり、結果として釣り人にとってチャンスとなるわけです。
このチャンスのタイミングはよく「上げ7分(ぶ)」とか「下げ3分」などと言われますが、満潮になりきる7分目、満潮からの3分目のことを表しています。
釣りにくいタイミング(潮止まり)
どの潮回りでも言えることですが、満潮のピークと干潮のピークで潮の行き来が無くなることを「潮止まり」といいます。
満潮時は「上げ止まり」、干潮時は「下げ止まり」などと言い、大潮・小潮に関係なく魚が釣れない状態であると言われています。
釣りをしていると急に釣れなくなるタイミングがあり、そのタイミングで当日の潮を確認すると「満潮のピークだった」というのは釣り人にとっては”あるある”かもしれませんね。