今回は春のシーバス「バチ抜けパターン」の釣り方をご紹介したい。シーバスを狙う上で最も簡単とさえ言われるだけあって、押さえるべき点を押さえれば、実際イージーに釣果が得られるだろう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・松尾尚恭)
バチ抜けのタイミング
時期は2月から5月ごろにかけてが盛期で、時間帯は夜のみ。潮回りは大潮と、その後の中潮の満潮から潮が下げに入るタイミングが、最も活発にバチ抜けが起きるタイミングだ。潮が下げ始めてからおよそ2時間の間が激アツの勝負の時間となる。
フィールド
バチ抜けが見られるのは川の河口や運河、漁港、干潟などで、その中でも比較的釣りやすいのが河口部。理由は後述するが、初めてバチパターンに挑戦するアングラーにオススメだ。
東海エリアは大小さまざまな河川が海に注ぐ好フィールド。ともすれば対岸にルアーが届いてしまうような小規模の河川でも、潮位により淡水と海水が行き来する河口部であれば、立派なポイントとなる。むしろ大河川よりもポイントを絞りやすくなるため、小規模河川の方が釣りやすいとさえ言える。
また、護岸されたポイントでは軽装で釣りができるが、そうでない場合はウエーダーが必要になる所もある。
ポイント
では河口部だったらどこでもいいかというとそうではなく、狙うべきポイントがある。それは流れのヨレやチャンネル、ブレイク沿いなど、変化のある場所を狙うこと。
流れに乗ったバチはより太い流れへと導かれていくので、他の場所より多く流れてきたり、密度が濃くなる場所がある。それがヨレやチャンネルであったり、川幅が狭くなる場所など密度が濃くなる所が狙いめだ。
またシーバスはブレイク沿いやちょっとした深みなどに着くことが多いため、何もない場所より魚が釣れる確率は高くなる。
釣り方
先に河口部での釣りがオススメと書いたが、理由は流れがあることによってバチが上流から、下流へと一方向に流れるためだ。基本的にバチは流れに逆らって泳ぐような動きをしない。したがって、ルアーを上流に向かってキャストし、流れに乗せて自分の立ち位置の前まで引くというのが基本的な釣り方となる。
自分の前をルアーが通りすぎると流れに逆らうアクションになってしまい不自然になるため、自分を通り過ぎたら回収して次のキャストをする。
ここで流れに乗せると書いたが、具体的にどうルアーを引けばいいのか。それは潮が流れる流速とほぼ同じか、少しだけ速くリトリーブするのがコツだ。潮の流れが100だとすれば、それをちょっと上回る101~110ぐらいのスピードでルアーを引くことを意識しよう。
流れより巻き取るのが遅いと、イトが緩んでしまって魚のアタリが分からなくなる。巻くのが速すぎても、ルアーが流れを横切るように動いてしまうし、イトを張りすぎることで魚のアタックを弾いてしまう。
そんなに遅く巻くとルアーがアクションしないのでは、と思うかもしれないが、そもそもバチは魚のように大きく動くものではないため、言ってしまえばルアーアクションはほとんどしていない棒引き状態で十分魚は釣れる。そのためロッドでアクションを加えることも基本的にはしなくていい。
フッキング
バチ抜けパターンでのシーバスのバイトは、非常に小さいショートバイトがほとんど。ガツンと食うようなことはめったにない。小さくコツコツッときたり、モソッと重くなるようなバイトが出ることが多い。ここで早アワセすると掛かりきらず、すっぽ抜けてしまうことが多い。
バイトが出たら少し速めにリールを巻き、サオ先に重みが乗ったことを確認してからフッキングするといいだろう。