毎年恒例の「マグロの初競り」が豊洲市場で開催され、最高額は例年通り「大間のマグロ」につけられました。なぜ毎年「大間のマグロ」が注目されるのでしょうか。
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大間のマグロが美味しい理由
これだけの価格がつく理由は、もちろんご祝儀という理由もありますが、やはり大間のマグロが「美味」だから。
豊富な餌な海域
大間崎が面する津軽海峡は日本海と太平洋をつなぐ重要な海峡ながら、最狭部ではたったの18kmと幅が非常に狭く、潮の流れが非常に速くなっています。もとより非常に遊泳力の高いクロマグロですが、この速い潮の中で泳ぐ大間のマグロは他の海域で取れたものよりも筋肉が締まっているとされています。
そしてそこに暖流である日本海流・対馬海流と、寒流である千島海流が流れ込むため、プランクトンが多くなっています。それはマグロの餌となる小魚の餌となるため、必然的にマグロにとっても餌が豊富な良い海域となるのです。
大間のマグロの平均サイズは100kg前後といわれています。豊富に餌を食べて丸々と太り、さらに筋肉もしまっているとなれば、味が良くなるのは当然と言えるでしょう。
漁獲技術の工夫
加えて大間では、マグロにダメージを与えにくい一本釣りまたは延縄漁法で漁獲しており、さらに取り込み時には電気ショッカーで失神させるため不必要に暴れさせることもありません。
様々な好条件と技術により、大間のマグロの美味が担保されているのです。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>