冬と言えばワカサギ釣りのシーズン。ワカサギがどのようなサカナなのか詳しく知っておくと、さらに釣りが楽しめるかもしれません。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
美味しいサカナ「ワカサギ」
筆者の若かりし小学生時代、一年に数回は給食に出てきた美味しいサカナ「ワカサギ」。ふわっとした白身とちょっとほろ苦い大人な味を今でもよく覚えています。
しかし、カリカリに揚がっている姿しか見たことが無く、スーパーでもあまり見ることが少ないため、大人になるまでどんな姿をしているのかも知りませんでした。
そんな食べられる直前の状態しか知られていないワカサギの姿や生態を見ていきましょう。
ワカサギってどんなサカナ?
ワカサギは体長15cm前後になるサカナで、シュッとした細長い体と、背が薄い茶色っぽく、お腹側が銀白色に輝いているサカナです。
ワカサギはキュウリウオ目に分類されており、同じキュウリウオ目には、ワカサギの他にアユやシシャモ、シラウオなどの魚が所属しています。
サケ科と同じように尾の付け根辺りの背に脂ヒレ(あぶらひれ)と呼ばれる小さなヒレが付いているのが特徴です。
もともとの生息域
ワカサギは今現在、日本中のほとんどの県で生息が確認されていますが、ワカサギのもともとの生息域はもっと小さく、北海道を除いた場合、島根県の宍道湖以北の日本海側から茨城県の霞ケ浦以北の太平洋側にしか生息していませんでした。
その背景にはワカサギは環境や水質の変化に強く、日本各地の湖やダムなどで食用に大量に放流されたという歴史があります。小学校の給食でも目にする機会があったのはその名残なのかもしれません。
実は海でも生息可能
湖に生息しているイメージの強いワカサギですが、実はワカサギはアユと同じように、河川を下り海で成長してから産卵のためにまた河川を遡上する「両側回遊型」と、海には下らず河川にとどまって一生を終える「陸封型」に分かれます。
同じ河川に生息していても「両側回遊型」と「陸封型」が混在することもあるようです。
また、産卵期は生息地の環境にもよりますが、冬から春にかけてとされ、前年に生まれ1年近く海で成長したものはこの時期に一斉に河川を遡上し、陸封型も混ざって産卵を行います。
産卵を終えたワカサギのほとんどは死んでしまいますが、北海道や野尻湖、仁科三湖のような寒冷地では2年から3年生き抜く長寿のものもいるようです。
漢字で書くと「公魚」
ワカサギは漢字で書くと「公魚」になります。
なんとも堅苦しい印象を受けてしまいますが、この漢字の由来は江戸時代にまでさかのぼります。
かつて麻生藩(あそうはん)が霞ヶ浦のワカサギを年貢の一部として徳川11代将軍徳川家斉に納め、公儀御用魚とされていたことからと言われています。
おそらくあまりの美味しさに徳川将軍が気に入ったのではないかという説もあるほど、昔から美味しいサカナとして知られているのです。