晩秋から初冬、若狭・越前沖ではタルイカ(ソデイカ)釣りシーズンが到来。今回のフィシングクリニックでは、福井県早瀬港・新漁丸での実釣も併せ、餌釣りでのタルイカ釣りを紹介しよう!
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・近藤惣一郎)
新漁丸でタルイカ実釣
私が福井・美浜早瀬漁港の新漁丸にて今期釣行した12月3日は月夜周り。ただ通り雨が降る日和で雲があったのが幸いした。西風が強まり午後10時半納竿の早揚がりではあったが、午後7時から8時の短い時合いに集中し、運良く10kgと7kg、2匹の本命をゲット出来た。
10分かけ10kg浮上
午後7時、魚探で餌の感度を捉えた船長から70mの指示ダナが出され、忠実にその水深でサンマ餌のタルイカスッテを落とし込んでいくと、糸フケが出てタルイカがサンマに触れてきたアタリ。
糸フケを静かに巻きとってゆくと、ショットバイパーのサオ先が小さく震えるように上下した後、針に掛かったタルイカが走り出し、サオ先が大きく引き込まれ、ラインが引き出された。親指でシーボーグ500MJのスプールを押さえながら一旦アワセを入れ100Mラインまで糸が出るとランは落ち着いた。
そこからドラグを徐々に締めつつ、相手の弱り具合を感じとりながら、電動巻きでラインテンションが一定に保たれることを注意して引き寄せて行った。やりとり途中強烈な反抗を披露する際には慌てず糸を出し、10分程のやりとりで10kgの1匹目をゲット。
7kg級を追釣
タルイカは時合いになると既述の如くヒットが続くことが多い。午後7時半過ぎ、今度は釣り座にセットしたポータブル魚探で80mに餌の感度。この水深でスッテ針を落とし込んで行くと狙い通りヒット。
1匹目同様アワセを入れ慎重に巻き上げていたが10m程で針が外れる。こんな時は往々にして再び餌を落とし込む誘いを掛ければ抱いてくる。その例に漏れず、5分ほど、このタナで落とし込んだり、巻き上げの誘いを繰り返していると再び針掛かり。
7kg級の2匹目を手中に。このイカを揚げた時、反対舷の海面近くに良型タルイカが浮いて来たのを観た船長が、ジギングアングラーにジグをキャストさせると、見事ヒット!10kg級が仕留められた。タルイカはつがいで行動するため、私が釣り上げたタルイカのもう一匹がそれを追って浮いて来たのだろう。
保存・調理法
季節的にも夜の気温は低く、傷みにくいが、大型クーラーにしっかり氷を入れて、持ち帰りたい。釣った以上は、しっかり処理して、美味しくいただく。大きな魚体から、食味はイマイチと誤解されやすいが、けっこう旨い。
刺身でも、何でも、そのまま食べると身は固いので、皮を剥き(ミカンを入れるナイロンネットなどで擦れば剥き易い)、身をノート程の大きさにカットし、必ず最低3日以上は冷凍し、水分を含ませることがコツ。解凍すれば、とても柔らかくなる。
大量に身が採れ、スティック状にカットした天ぷらは、皆大喜びする。中華料理に使ったり、ステーキも面白い。刺身でも、十分いける。