投げ釣りで『遠投100m』の壁を突破しよう:基本のオーバースロー編

投げ釣りで『遠投100m』の壁を突破しよう:基本のオーバースロー編

投げ釣りで釣果に直結する「遠投」。今回はスポーツキャスティング大会での優勝経験もある著者が、遠投100mの壁を超えるコツを紹介します。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・松尾幸浩)

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松尾幸浩

1954年兵庫県三木市生まれ。全日本サーフキャスティング連盟兵庫協会神戸投翔会名誉会長。DAIWAフィールドテスター。キス数釣り競技から大物狙い、遠投競技まで投げ釣りのあらゆる志向をこなすオールラウンダー。

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海釣り 投釣り

オーバースロー

この投法は投げ釣りの基本的動作で、コントロールがつけやすいことが特徴です。これをマスターすれば、投げたい方向、狙ったポイントに投げることができるようになります。

動作自体は、剣道の相手の面を打つ「メン!」という竹刀を後ろから真っ直ぐに振り下ろす動作に似ています。

構え方

構え方は図1のように、サオ先を後方に向け、オモリを地面にスレスレぐらいに浮かし、サオ先のトップガイドからオモリまで1mぐらい取ります。オモリを浮かせるとサオに乗るオモリの重さが分かりますので「サオに乗る」ということが確認できます。

投げ釣りで『遠投100m』の壁を突破しよう:基本のオーバースロー編図1(提供:WEBライター・松尾幸浩)

投げる動作ではサオをオモリの重さで曲げ、その曲がった反発でオモリを飛ばすことになります。よく飛ばす人は、サオを大きく振り(振り幅が大きい)、スピードも速く、大きくサオを曲げることができるので、反発も大きく飛距離が出ます。

ちなみに、軟らかいサオでは曲がりますが、反発が弱すぎてあまり飛びません。逆に硬すぎるとサオが曲げることができず、反発を生かすことができません。

これで、サオは地面と並行になって構えは完成。

投げる体制

次は投げる体制に入ります。図2のサオ尻を持つ右手(私はサウスポーなので、右投げは左手となります)を真っ直ぐに伸ばし、リールを持つ左手は耳の後ろに置き、リールの位置はサオの上向きにきます。

投げ釣りで『遠投100m』の壁を突破しよう:基本のオーバースロー編図2(提供:WEBライター・松尾幸浩)

そして、中指と薬指でリールを挟んで持ちます。次にリールのベールを起こして、チカライトは人差し指の第一関節付近に挟み、サオ側に押さえます。ここで、人差し指を浮かさないように注意しましょう。サオを強振するとチカライトが途中で外れて違う方向に飛ぶこともありためです。

キャスト前には、軽い準備運動をするのがいいでしょう。タックルをセットしたらサオを振る範囲以外も人や障害物がないか確認して下さい。最初はオモリも全く違う方向に飛ぶことがよくあり、できるだけ広い場所で練習するのがいいです。

なお、リールを持つ手には人差し指に図3の指サック(フィンガープロテクター)を使用します。サオを強く振るとチカライトを掛ける指が切れることもありますから、保護のためにも使用して下さい。

投げ釣りで『遠投100m』の壁を突破しよう:基本のオーバースロー編図3(提供:WEBライター・松尾幸浩)

いよいよキャスト

ここでもう一度、オモリ、サオとリールの位置を確認し、身体は前方を向いて、目は前方45度ぐらいの高さを見つめます。さぁ、いよいよキャストです。

サオを後方から前方へと真っ直ぐに「メン!」の要領で振り下ろします。図4のサオを止めるのも45度ぐらいが理想です。

投げ釣りで『遠投100m』の壁を突破しよう:基本のオーバースロー編図4(提供:WEBライター・松尾幸浩)

ここで難しいのが、チカライトを離すタイミングです。サオの曲がり方にもよりますが、大体はサオが頭上にくるぐらいが一番いいようです。これはもう練習しかありません。早すぎると「テンプラ」といって、真上方向に飛び上がります。遅いと低く飛び、ライナーになってしまいます。何度もサオを振って、ベストポイントを指が覚えるように練習しましょう。

次のページで『オーバースロー上級編』を紹介!