伊藤さとしのプライムフィッシング【秋の浅ダナ両ダンゴ:第4回】

伊藤さとしのプライムフィッシング【秋の浅ダナ両ダンゴ:第4回】

伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「秋の浅ダナ両ダンゴ」。秋はタナを釣れが定説だが、管理池は通年浅ダナでOK。今回は釣りのリズムについて考えてみよう。

(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)

アバター画像 TSURINEWS編集部

淡水の釣り ヘラブナ釣り

大切なのは「リズム」

前号では盛期(夏)との違いを考えてみましたが、逆に秋になっても夏場と変わらないこと、変えてはダメなことなどを見ていきたいと思います。具体的には?

伊藤 さとし

「そうだなぁ。釣りのリズムだろうね。素早い打ち返しと取り込み。正確でスピーディーなエサ付け。これらが達成できてリズミカルに釣りができれば、かなりの武器になるだろうね」

 

リズミカルですかぁ。体力勝負ですね。

伊藤 さとし

「そんなことはない。だって長竿を使うわけではないからね。それこそ体力を必要とするのは良型がヒットした時くらいでしょう。それ以外は力勝負なんてない。それよりも肩の力を抜いて、そつなくこなすこなせば、それがリズミカルっぽく見えてくるでしょう」

 

それには練習が必要そうですね?

伊藤 さとし

「そういうこと。落とし込みにしろエサ付けにしろ、要は慣れの問題だから、練習すれば誰でも早くこなせるようになるはずだよ」

 

臨機応変かつ迅速に

たとえばハリ付けですが、次に使うエサ玉はあらかじめ丸めておいたほうがいいのでしょうか。

伊藤さとしのプライムフィッシング【秋の浅ダナ両ダンゴ:第4回】ハリ付けは正確に速く(提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
伊藤 さとし

「一概には言えないよね。丸めて空気に触れさせておいたほうがいい場合もあるし、それでは逆効果のこともあるし。要はハリ付けに必要とする正確な分量をエサの塊からつかみ取り、それを必要に応じた形状とタッチでハリ付けする技量のほうが重要だろうね。だって丸めて置いておくだけなら誰でもできる話だろうから」

 

伊藤さとしのプライムフィッシング【秋の浅ダナ両ダンゴ:第4回】取り込み時に魚を暴れさせない(提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)

振り込みとか取り込みはどうですか?

伊藤 さとし

「自分に合った竿を選ぶことだよね。長さもそうだし調子もそう。ただ一つ言えることは硬調子ほどライン関係のトラブルが増えるし、取り込みの際に魚が暴れやすい。硬いほうが一見すると早く取り込めそうだけど、そうじゃないってことも理解しておくべきだろうね。硬いほうが有利に働くのは竿が立ってからの話だろうから」

 

時短につながるアワセ

そのほか「時短」につながることは?

伊藤 さとし

「アワセかな。強いアワセは厳禁。まあこれは浅ダナに限ったことではないけどね」

 

かえって魚が暴れて取り込みに時間を要するからですよね。

伊藤 さとし

「そういうこと。それを防ぐ意味でも軟らかめの竿がいい。いいアタリが出るとついついアワセがきつくなるのは仕方がない。それが軟らかめの竿ならうまく処理してくれることもあるから」

 

伊藤さとしのプライムフィッシング【秋の浅ダナ両ダンゴ:第4回】送り込みもていねいかつ早く(提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)

時短につながることは考えればいくらでも出てくる。ハリスストックは多めに用意する(準備)手元から見失いがちなハサミの置き場所を決めておく(整理整頓)などなど些細なことでも、積み重なれば時短につながることはいくらでもある。浅ダナはリズムが大切だとするなら”時は金なり”ではないが、細かなことでも注意しておく必要がありそうだ。

伊藤 さとし

「面白いことを言うじゃない。まさにそうなんだよね。釣りの技量、道具やエサの準備、これらが総合的に働いて時短になり、やがてそれがリズムを作りスピーディーにもなっていく。釣りとはそういうものなのかもしれないね」

 

次回も「秋の浅ダナ両ダンゴ」です。

【秋の浅ダナ両ダンゴ:第1回】を読む。

【秋の浅ダナ両ダンゴ:第2回】を読む。

【秋の浅ダナ両ダンゴ:第3回】を読む。

<週刊へらニュース版 APC・伊藤さとし/TSURINEWS編>

この記事は『週刊へらニュース』2020年10月23日号に掲載された記事を再編集したものになります。