伊藤さとしのプライムフィッシング【秋の浅ダナ両ダンゴ:第3回】

伊藤さとしのプライムフィッシング【秋の浅ダナ両ダンゴ:第3回】

伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「秋の浅ダナ両ダンゴ」。秋はタナを釣れが定説だが、管理池は通年浅ダナでOK。上層の魚狙い方の盛期との違いとは?

(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)

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淡水の釣り ヘラブナ釣り

盛期と異なる『エサの比重』

そろそろ両ダンゴシーズンも終盤に差しかかったと思われますが、盛期と秋とでは同じ浅ダナでも釣り方が異なりますか?

伊藤 さとし

「そもそも魚の活性が違うから釣り方やエサが異なるのは当然の話だよね。それに”秋”とくくってみても初旬と終盤では水温の差がずいぶんあるでしょう。ゆえに魚の活性も異なって当然の話だよね」

 

伊藤さとしのプライムフィッシング【秋の浅ダナ両ダンゴ:第3回】エサのタッチも変わる(提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)

具体的に異なる点を挙げてもらえますか?

伊藤 さとし

「まずはエサの比重だね。盛期ほどエサに強くアタックしてこなくなるから、重さで入れ込むようなシーンは減る。ならば軽めのタッチが効きやすくなるよね」

 

ゆえに浅ダナ一本が活躍するわけですね。

伊藤 さとし

「そういうこと。両ダンゴで打つのだから芯を形成するためのネバリはどうしても必要になる。でもそれが重くては季節にマッチングしない。比重が軽く芯を作る。これを目的にブレンドを考えるなら浅ダナ一本ベースが使いやすいからね」

 

ベースエサとして使うのですか?

伊藤 さとし

「基本はそうだけど、活性が高めだと判断したら、盛期の両ダンゴに近いタッチでもいい。要は魚の活性次第で比重とネバリをアジャストするのがベストでしょう。ただこれから晩秋に向けては、そこまで高活性なことは稀だろうから、スタート時のエサは軽めから始めたほうが失敗は少ないだろうね」

 

活性に合わせた調整

セッティング面はどうですか?

伊藤 さとし

「エサを軽めにするのだからハリもそれに合わせたほうがいいし、ウキの浮力も同じだろうね。たださっきも話したとおり、両ダンゴをやるということはある程度の活性があるからこそだよね。もし低活性なら両ダンゴの選択肢はなくなるだろうからね」

 

だとするならあまり軽すぎるのもよくないと?

伊藤 さとし

「そういうこと。たとえば盛期でバラサ7号前後を使っていたなら5号前後にして、あとはハリスの長さで落下速度を変化させてもいい。要は秋だからと言って食わせバリのように小さくするのはナンセンスだってことだよね」

 

伊藤さとしのプライムフィッシング【秋の浅ダナ両ダンゴ:第3回】ウキは盛期より浮力が少ないタイプを(提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)

ウキはパイプトップですか?

伊藤 さとし

「そこは何とも言えないだろうね。ぶら下げてアタってくるならパイプがいいだろうし、タナを意識せず広範囲のアタリを取っていくならムクトップのほうが向いてる。ただパイプにしろムクにしろ、盛期ほどではなくともある程度の浮力は必要だろうね」

 

それは両ダンゴだからですよね?

伊藤 さとし

「そういうこと。それなりの活性があるのが前提の両ダンゴ。いくらセッティングやエサを調整しようとも、魚にヤル気がないのならセットにしたほうがはるかに釣れるだろうからね」

 

無理強いは禁物ってことですね。

伊藤 さとし

「そうだね。ウキがそこそこ動くとついつい両ダンゴで追いかけてしまう。とくに浅ダナの場合は、食い気はなくともウキだけは動くケースがある。でもそれって食いアタリではなく単なる糸ズレなんだよね。触りはあるのに落とさない。アタリはあるけど明確ではない。そんな時は両ダンゴをあきらめてセットにしたほうがいい。まあ両ダンゴでどうしても釣りたいって人には関係ない話だけどね」

 

次回も「秋の浅ダナ両ダンゴ」です。

【秋の浅ダナ両ダンゴ:第1回】を読む。

【秋の浅ダナ両ダンゴ:第2回】を読む。

<週刊へらニュース版 APC・伊藤さとし/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
智光山公園・前山の池
この記事は『週刊へらニュース』2020年10月16日号に掲載された記事を再編集したものになります。