2015年より厳しい漁業規制が行われている太平洋クロマグロ。今後、法的な見直しをするかを話し合う国際会議が先日開催されました。
アイキャッチ画像提供:野食ハンマープライス)
今後の見通し
日本は2020年に限り台湾から300tの漁獲枠を移譲されていましたが、その延長も認められない見通しです。これらの事情により、我々の口に入るマグロの価格が上昇するようなことはあるのでしょうか。
実は今回の委員会では、以下の2つの管理措置について継続させることも決まりました。
・漁獲枠の未利用分の翌年への繰越率を本来の5%から17%へ増加
・小型魚の漁獲枠の大型魚への振り替え
これらの処置に加え、養殖技術の向上などもあり、即座に価格への影響が出るわけではないと考えられています。
その一方で、現状としてクロマグロの数はまだ回復には至っていない状況です。日本の「増える見込みだから獲る数を増やすべき」という主張は、現状を踏まえればやや拙速にすぎるかもしれません。
日本政府は、戦略を練り直し改めて増枠を提案する考えですが、それが実情に即したものでない限り、再び他国の反対を受け却下となってしまうのは必至でしょう。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>