世界有数の深い湾・駿河湾。その東岸にある深海魚漁の基地・戸田で「深海魚直送便」というユニークな取組が行われ、注目を浴びています。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
「ヘンな深海魚」が漁村を救う
そんな状況を改善しようとこの春、地域おこし協力隊が戸田漁協と協力し、水揚げされたばかりの深海魚を港から発送する「深海魚直送便」をスタートしました。
メヒカリやユメカサゴ、カガミダイやヒゲナガエビなどといった、地元では美味しいことが知られるものの、都市部まではあまり流通することのないような深海魚を特定の値段分詰め込み、発送します。全国の食卓に届け、戸田の魅力を発信するのが狙いだといいます。
春先に試行したところ注文が殺到し、想定以上の好評を得てこの10月より本格スタートとなりました。受け取った人が美味しく食べられるよう、魚の名前とおすすめの調理法を記したリストが添えられています。
このほか、食用とされない珍しい深海魚だけを集めた「ヘンテコ深海魚便」もラインアップ入りしたそうです。(『沼津・戸田の深海魚を全国直送 今春好評受け、本格始動へ』静岡新聞 2020.9.23)これまではあまり売り物にならなかった「未利用魚」たちの良い活用例として、今後より注目されることは間違いなさそうです。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>