いよいよ季節は秋となり、アユ釣りもシーズン終盤。今回は、そんなシーズンの締めくくりにふさわしい「大アユ」狙いのポイント選び、タックル、攻略法を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・松森渉)
大アユが狙える河川
今年は長梅雨の影響で、どこの河川も増水によりダメージを受けた。そのためアユの成長に遅れが見られる。ホームの長良川郡上も、例年になく型が小さい。中部で「大アユ」が出そうな河川は、白川辺りになるだろうか。北陸なら九頭竜川になると思う。
大アユのポイント
次に、大アユのポイント選びについて。終盤になれば気温も最盛期ほどではなく、水温も徐々に下がってくる。
水温で着き場が変わる
天気が良く水温が上がる日なら、最盛期と同じようなポイントで釣れる。しかし水温が下がれば瀬の芯で掛かるアユは減り、瀬の脇など流れの緩い所に着き場が変わる。
大アユ狙いだと淵やトロ瀬などが良くなり、また夕方の時合いでその淵やトロに連結する上流の瀬にアユが差してくる。瀬にオトリを入れて反応が薄ければ、迷わずトロや瀬の脇などに狙いを変えた方が良い。
障害物周りを探ってみよう
また長良川におけるポイント選択の目安として、「大石周り」がある。昔から長良のアユは大きい石や岩盤に着く習性がある。北陸でいえば「テトラ周り」になる。大きい障害物周りは流れが複雑になり、掘れ込みなどの深みもできやすい。
終盤のオトリ事情
終盤になるとオトリでその日の釣果が変わる。特に9月中旬を過ぎるとオスにサビが出始める河川が出てくる。湖産系のアユを放流している河川は特にその傾向が強く、この時期に出水があれば状況は一気に厳しくなることも珍しくない。
オトリアユはメスが有利になるのはすでに常識だと思う。また大アユ釣りでは、オトリアユは多めに用意した方がいい。大アユ釣りは何かとリスクが多い。
大アユ狙いのタックル
次に大アユを狙うためのタックルを紹介しよう。
竿の長さ
竿は基本的に急瀬抜タイプがメインになる。九頭竜川など特別な大河川でない限り、9mの急瀬抜で大体の河川はカバーできる。
水中イト
水中イトは、水量が多い河川やポイントでは比重の重いタングステン素材のメタルラインがお勧め。イト自体が沈むので、水量に負けない。長良川上流の郡上地区では、比重が重すぎず軽すぎないイトが良い。
近年は各メーカーがイトに比重を表示するようになった。表示されている数字が大きいほど重いことを示している。私が使用しているタングステンメタルは、オーナーのザイトメルファブレイドTGⅡ(比重19)で、郡上地区で愛用しているのがダイワのメタコンポヘビー(比重5.0)。泳がせ用は北越の第4のライン0.07号(比重3.0だ)。
ハナカン周り
大アユ狙いで最もトラブルが多い個所だ。大河川ではフロロカーボンライン1.5~3号。中小河川ではフロロカーボンライン1~1.5号。
ハナカンはフック式が好ましい。ワンタッチだと、大アユの衝撃でオトリが外れてしまうことがあるからだ。サカサは大河川ならがまかつの大鮎サカサ、中小河川はオーナーの白一体サカサ2~3号を使用している。
大アユ狙いのハリ
ハリは3本イカリ、2本チラシ、3本チラシを使い分けている。大河川では基本的にチラシがメインとなる。朝一に人が釣った後など、掛かりが悪いときは3本チラシ。バンバン追って掛かるときは2本チラシが良い。また根掛かりしそうな流れでも2本チラシを使う。3本に比べ根掛かりのリスクは少ない。
中小河川では3本イカリがメインとなる。長良川水系なら7.5~8号の3本イカリが主体。それと3本イカリは、基本的に太軸のものを選ぶが、追いが弱いと思ったらハリの線径が細いハリを選択する。各メーカーハリのパッケージにハリの線径が表示されている。追いが良い場合は線径の太いハリを選択し、追いが悪いときは同じ号数でも線径が細いハリを選ぶ。