昨年、爆発的な釣果を叩き出した東京湾のマダコ釣り。昨年ほどではないものの、今年も好調が続いているようだ。今回は、エギとテンヤでのタコ釣りについて考察したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・古谷健太)
東京湾マダコ釣りの概要
東京湾でのマダコ釣りは大きく分けると、タコエギもしくはテンヤを使った釣りの2つだ。
タコエギの特徴
タコエギは、30号程度のオモリを仕掛けの下につけ、そのすぐ上に専用のエギを1~2個装着するものである。タコエギの場合は竿を使うことになるため、軽く投げ広範囲を探ることも可能となる。ルアーフィッシングが好きな方であれば、こちらの方が親しみやすいかもしれない。
テンヤの特徴
タコ専用のテンヤにカニを縛り付けた仕掛けで、基本的には竿を使わずに手で釣ることになる。直接手でラインに触れて釣りをするため、海底の地形の把握やタコの重みに気づきやすい。
エギvsテンヤで実釣
次に実際に釣りに出かけてみて、タコエギとテンヤを使い比べてみる。
釣行日は7月25日、本牧港の長崎屋にお世話になったが、連休中とあって船は満員であった。
当日は夜明け頃から強い雨が降ったり止んだりを繰り返しており、出船中も時折滝のような雨が降るコンディションであった。船長曰く、この大雨が原因で相当強い二枚潮が発生しており釣りにくく、また雨の影響でタコの活性が下がっているとのことであった。
船長からのアドバイス
船長に当日の狙い方を聞いたところ、とにかく細かくトントンとした上下の誘いを入れること、そして時折1mくらい持ち上げて、新たな場所に仕掛けを移動させる。あまり同じ場所に仕掛けを置き続けると、すぐに根がかりするため気を付けるようにとのことであった。
私はジギングロッドにタコエギ、同行の父と父の友人はテンヤによる手釣りで実釣。釣果に差が出るのか調べてみることとした。
開始直後はテンヤに軍配
実釣開始からすぐに父のテンヤにかなりの重みが乗った。上げてみると1.6Kgの良型のタコが上がってきた。その後、私の隣のテンヤの方にもタコが乗ってきたが、私を含めた右舷側のタコエギ勢にはタコの乗りはなかった。
しばらく私を含めたタコエギ勢は沈黙していたが、突然タコエギ勢にタコが乗ってきた。私もこの波に乗り、結果として3杯の釣果となった。
結果的に、我々3人は揃って3杯の釣果となった。私の場合は、持ち帰りが可能なサイズが3杯で、いわゆる湧きダコといわれる極小サイズも釣れたがこれはカウントしなかった。
エギとテンヤの釣果の差
実釣の結果から、エギとテンヤの釣果の差について考察してみよう。
時間帯による明らかな反応の差
我々3人の最終的な釣果は3杯ずつであったが、テンヤの2人とタコエギの私が近い時間帯にタコを上げることはなかった。また、しばらく沈黙していたタコエギの釣り客がとある時間帯に連発でタコを乗せているシーンがあったことをみると、1日の中でも時間帯によってタコエギとテンヤで反応に差が出るようである。
型狙いはテンヤの方がいい?
今回私を含め、タコエギ勢は1kgを超えるような良型を乗せている釣り客はいなかったようで、逆にリリースサイズのタコを多く乗せているのもタコエギであったように思える。
父がいきなり1.6kgの良型を乗せたあとも、父と父の友人のテンヤ組がリリースサイズを乗せることはなかったことからすると、型狙いの場合はテンヤの方がいいのかもしれない。
テンヤにエギをつける?
常連の方と思われるが、テンヤにタコエギを二本つけて手で釣りをしていた。もちろんタコエギではなく、普通にカニエサをつけている場面もあったため、タコエギとテンヤ(エサ)の両方の利点を生かすための工夫なのかもしれない。
タコエギのメリット・デメリット
タコエギのメリットはやはり広く探れることであろう。前述のとおり、椅子取りゲームになるタコ釣りでは、船下のタコを探った後はテンヤでは手が届かないタコを探し、軽く投げて探ることが可能である。
デメリットは、根がかりによるタコエギのロストである。タコエギには3本程度のカンナがついているため、エギを2本つければ計6本のカンナとオモリがタコの生息する岩場を動き回ることになる。初挑戦であれば、なるべく安価のタコエギを用意し、オモリも直接サルカンにつけずに数センチの捨て糸をつけて根がかりに備えた方が無難である。
テンヤのメリット・デメリット
テンヤのメリットは手で直接海底の様子やタコの乗りを把握できることであろう。タコはデコボコの海底を狙うことが多く、水深は細かく上下することになる。テンヤであれば直接手をつかって海底を小突くことになるため、仕掛けが浮いた場合もすぐにタナを取り直せる。
デメリットはやはり探れる範囲が限られる点であろう。状況の厳しい日に良い釣果を上げようとするのであれば、潮の流れの把握と釣り座の確保が重要であろう。