いつも焼き魚となぜかセットで出てくる「大根おろし」。ふと、そのワケが気になった筆者が栄養士に理由を聞いてみました。
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焼き魚とセットの「大根おろし」
ふと立ち寄ったお店で焼き魚定食を注文。すると、なぜか焼き魚の隣には「大根おろし」。サンマ・アジ・サバなど魚種を問わず、「焼き魚」と名の付く料理の隣には高確率で顔を出します。
当たり前のようにセットで出てくるので、疑問を持つ方は少ないかもしれません。その「セット率」たるや、法律で定められているんじゃないかと錯覚するほど。
なんとなくその理由が気になった筆者が、栄養士に話を聞いてみました。
栄養士に理由を聞いてみた
焼き魚と大根おろしをセットで食べる理由とは一体何なのでしょうか。
大根おろしに含まれる成分
まず大根おろしに含まれる成分について。大根おろしには、「消化酵素」として、デンプンを分解するアミラーゼ、たんぱく質を分解するプロテアーゼ、脂質を分解するリパーゼなどが含まれています。さらに、抗酸化作用と抗ガン作用、殺菌作用がある「イソチオシアネート」を含んでいます。
大根そのものには前駆体(ぜんくたい:ある化学物質について、その物質が生成する前の段階の物質のこと)が入っており、成分を出すにはそれを切る、下ろすなどして細胞を破壊する必要があります。この成分が一番多いのは「大根の先端」で、若いものが良いらしいです。
大根おろしの効果
健康面では、消化酵素による消化を助ける効果、抗酸化作用、焦げによる発ガン作用の軽減に期待が持てます。また、美容面でも抗酸化作用による美肌効果が期待できるとのこと。
焼き魚とセットで食べる理由
本題の「焼き魚とセットで食べるメリット」についてですが、大根おろしには殺菌効果、脂質を分解して消化を促進する効果があり、焼き魚と一緒に食べることで消化吸収を補助してくれます。さらに、発ガン性物質を体外へ排出するはたらきを持ち、独特の辛味が魚の臭み消しにも役立ってくれるとのこと。
ちなみに、すりおろした汁にイソチオシアネートが多く含まれるため、水気を絞りきらないほうが効果的なのだとか。
焼き魚と大根おろしをセットで食べると、一石二鳥どころかそれ以上の効果があるようです。理由を知るとセットで食べるのも納得…。
大根おろしの代用となる食材
ちなみに、手元に大根おろしが無い時は「生姜」をセットで食べると、殺菌作用が期待できるとのこと。また、キャベツにもイソチオシアネートが含まれているそうです(イソチオシアネートはアブラナ科の野菜によく含まれているとのこと)。
また、抗酸化作用がある梅肉にイソチオシアネートを含む「ブロッコリースプラウト」を和えてみるのもオススメ。梅のサッパリ感も相まって、晩夏でも食べやすいメニューです。
<田口/TSURINEWS編集部>