伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「コウテンで好転させよう」第2回。両ダンゴ用のベースエサとして今年5月に新発売。今回はコウテンの特徴を掘り下げる。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
比重もバラケも完全な中間
今回は新エサ・コウテンの特徴や使い方について伊藤から話を聞く。そもそもコウテンは両ダンゴ用のベースエサという位置付けですよね?
「そうだね。基本的には両ダンゴ用。しかもチョウチンから浅ダナとタナも問わない」
両ダンゴ用と言うことは、ある程度のまとまり感と粘りがある?
「マルキユーが発売している麸エサの性質表って見たことある?」
小冊子とかホームページとかに出てるグラフみたいなやつですよね。タテが比重で横の線がバラケ性。
「そう。コウテンはつまりこのグラフのタテと横の線が交わる交点にあるんだよね。つまり比重もバラケ性も完全な中間点だってこと」
重くなく軽くもなく開き過ぎずにエサがまとまる。そんなイメージでしょうか?
「まあ、そういうことだね。このグラフを見るとGTSとかパウダーベイトヘラ、それに藻べらなんかもグラフ上のタテと横の交点付近にあるんだけど、完全な交点ではないんだよ。そういう意味で言うと、コウテンは完ぺきに中間的な性質を有しているってことになるよね」
軟タッチでも芯が残る
中間だと何か利点があるのですか?あるから発売したのでしょ?
「もちろんだよ。エサがまとまりやすくて、しかもバラけさせることもできる。この二つは正直言って相反する要素なんだけど、そういうエサをより簡単に作れるようにした。これがコウテン最大のウリだろうね」
グラフ上の交点付近にあった中間タイプのエサに対して万能性・汎用性に磨きをさらにかけたということでしょうか?
「おお!たまにはいいこと言うね。まさにその通りだよ。それとねコウテンにはもう一つ、どうしても加えておきたかった性能がプラスされているんだよ」
何ですかそれは。もったいぶらないで早く教えてくださいよ(笑)。
「軟タッチだよ。近年硬いエサで決まるヒットパターンは少ないのが現状でしょ。それに多くの人は手水を打ちたがる。ところが軟らかいエサは硬タッチと比べればエサ持ちが悪い。その弱点を克服して、たとえ軟タッチにしてもハリの懐にエサの芯が残りやすいようになった。つまり食いごろのエサを作りやすくなったってことだよね」
簡単にセオリーのエサが作れる
たんにエサを持たせるだけならカルネバなりBBフラッシュなり粘力なりを入れれば、それまでよりもエサ持ちはよくなる。しかしそれだと今度は開きが悪くなるかもしれない。そうなると持ち過ぎによるカラツンが出やすい。でもバラけながらエサがナジみ、そこでハリにエサが小さくでも残っていれば食いつきやすくなる。食いごろにしやすいとは、つまりそういうことですよね?
「そうだね。つまりコウテンは”寄せながら釣る”という両ダンゴの基本セオリー的なエサにしやすい性質を持っているってこと。でもだからと言って、単品では限界があることもある。それを補うのがコウテンに対してブレンドするエサなんだよね。基本(ベース)はできているから、あとは足りないものを足すだけでいい。考え方がシンプルになるから、エサの配合に迷わずに済むし、ダメだった時のリセットもしやすいはずだよ。まずはパッケージの裏書き通りにやってみて、そこから自分なりのブレンドを見つけてみてはどうだろう。それを見つけるのもヘラ釣りの楽しみだろうしね」
次回も「コウテンで好転させよう」です。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>