6月21日、静岡県・遠州新居港のわし丸に中深海釣りで乗船。本命アラだけでなく、オニカサゴ、ウッカリカサゴなど高級魚もキャッチした釣行をレポートしよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・植島孝裕)
遠州灘でアラ狙い
何事も1つの結果を出すには、ある程度の辛抱が必要だと言われる。「石の上にも三年」という例えもあり、自分なりに満足のいく結果を出すためには、臥薪嘗胆(がしんしょうたん)する必要があるだろう。
一緒に釣行するOG氏もそんな状況で、3年前から始めた遠州灘のルアーでの中深海釣りで、最近は型物をゲットするようになってきたが、大本命のアラはまだの状況だ。いつかは釣りたいと思っているのが分かるので、周りから見ている私としても釣らせてあげたいと思って、3年は辛抱した方がいいと話している。3年といってもシーズンが限られているし、シーズン中は回数も限られているので、回数的にはさほど多くはないのだが。
夏至の日食は実に300年ぶりとのことで、この次は700年以上後という非常にまれな日となった。本命のオニカサゴ、ウッカリカサゴ、お土産はチョウカ(ユメカサゴ)なので、クーラー内は安心の釣り。一緒に待ち合わせて車を走らせていくとさすがに夏至で、すでに東の空が明るくなっている。
わし丸出船で中深海釣りへ
遠州新居港のわし丸に到着すると岸壁に人が多く、警備のためかパトカーも巡回しているなか道具を降ろす。知り合いのOT氏と、もう1人も到着。OT氏も中深海釣りの歴史は長い。OG氏はルアー参戦なので、トモが決定済みなので3人でじゃんけんをして、私は負けて左舷のミヨシへ座ることになった。
道具はいつもの3本バリの片テンビン仕掛けで、テンリュウのサオに大型電動リールを装着する。水深200m前後を攻めるのでオモリは200号を装着し、潮次第で重くしたりする。エサはイカ短とサバだ。
船が港を離れて太平洋へ出ると、梅雨の谷間の天気のようで太陽が出ている。東に雲があり、時間が経過するにつれて曇りがちになり、風が出てくる予報。多少波があるなか、船は順調に太平洋を進んでいく。
幸先よくチョウカ(ユメカサゴ)ヒット
周りに何も見えなくなり、ポイントに到着して早速釣り開始。エサをチョン掛けにして投入の合図を待ち、ルアー釣りの人が先に入れて船が少し動き、次にエサ釣りの人が同時に投入する。テンビンをサオ先につるして、後から仕掛けを入れないと手前マツリになる。
水深180mとのアナウンスがあり、それまではエサを切ったり水をくんだりする。海底にオモリが到着すると、潮はほとんど動いていない状態。海面では少し流れていたのだが、それを打ち消す感じなので、船の動きは少ないのだろう。
底潮が流れていないので、普段の倍の長さのタナを取って待つと、チョウカからのアタリがすぐにくる。夏に向かって食いが上がってくる魚で、上げてみると体色も良く、腹も張っており太っている。こういう魚体は、脂もあって食べるとうまいのだ。
良型カサゴ族&本命アラ浮上
潮が緩いので、タナ取りを頻繁にする。OT氏はガンガン引くアタリを味わっているが、これはイシナギだった。3投目、大きめのアタリで上げ始めると結構な引き。これはいい魚だろう。上がったのはまあまあサイズのウッカリカサゴで、まずは型物を手中にして一安心だ。
トモが騒がしいので行くと、OG氏が良いものを上げたようで、魚を見て「あっ」と声を上げた。なんと小ぶりだが大本命のアラ。3年目の勝負で、自力でアラを上げることができ、満面の笑顔での写真タイムとなった。
その後、OT氏に大型のオニカサゴがきたり、私にも中型のオニカサゴがきたり、潮が動かないながら船長の小まめな移動でクーラーは赤い高級魚で埋まってくる。曇りとなって、風が吹いてきたので少し肌寒いが、梅雨のムシムシするような天気よりはいい。
型物主体で最終釣果まずまず
OG氏はアラを釣ってからリラックスモードで、ウッカリやチョウカを上げているようだ。私にも大本命らしいアタリが出たので、サオを持って軽く聞き上げるとクイクイと引く。アラっぽいが、イマイチ引きが弱いなと思っているとホウボウ。
潮が流れていないのでアタリは少ないが、それでも型物が釣れるのは豊かな遠州灘だ。ラスト前の流しでフグっぽい魚に2本バリを取られて、最後の流しで新しい仕掛けを出すが、悩んだが後悔したくないので、新規を出すと良型のチョウカが3匹釣れて納竿の時間となった。
結果、アラ1匹、オニカサゴ2匹、ウッカリカサゴ3匹、ホウボウ1匹、メバル1匹、チョウカ9匹と型物主体でクーラーは中程度の埋まり具合。OG氏が念願を成就した記念日は、梅雨のうっとうしさを吹き飛ばすような満足の結果だった。中深海はこれからが本番なので、事前に予約の確認をして参戦してほしい。
<週刊つりニュース中部版 APC・植島孝裕/TSURINEWS編>