アカエイは「豪快な引きが楽しめ、食べて美味しいサカナ」である。今回はそんなアカエイを「狙って釣る」方法を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・楢﨑人生)
アカエイの釣り方
基本的には普通の投げ釣りなので、仕掛けを投入した後は竿先に注意を払いながら、のんびりと過ごしていても問題はない。
アカエイの反応があっても早アワセは厳禁。アタリがあってもすぐにはアワセを入れず、魚が走るまで待ってから、竿を立てる遅めのアワセで大丈夫だ。ハリ掛かりすると、青物かと見間違うほどの勢いでリールから糸を引き出していくこともあれば、砂底に潜り込んでビクとも動かなくなることもある。
ヒット後のやり取り
アカエイは静と動の混在する激しいファイターなのだ。アカエイが走っている時は無理やり止めようとせず、ドラグを調整して上手にいなす。1m程度のアカエイなら、リールに巻いてあるラインを全て引き出すまで走るようなことはない。
走りが弱まったら竿尻を腹に当ててポンピングしながらリールを巻くか、アカエイが走った方向へ自分が近付いて、出された糸を回収していく。
底に張り付かれた場合
やり取りで最も厄介なのは、アカエイが砂に潜って底に張り付くことだ。動かざること山の如し。底に張り付かれた場合、パワー不足のタックルでは全く太刀打ちできない。アカエイが動き出すまで待つしかない。
タックルが強ければ無理矢理に底からはがすこともできるが、竿やリール、ラインにとてつもない負荷が加わり、竿の破損やラインブレイクにつながりかねない。
アカエイの底張り付き状態は根掛かりとよく似ていて、初めて経験すると、誰もが根や障害物に巻かれたと勘違いするだろう。ここで早合点してラインを切ってしまわないこと。待っていれば再び動き出すので、その時までは我慢比べとなる。
ハリ外しリリース
アカエイ釣りで最も困難を極めるのは、ハリを外して無事に海へ帰してあげることだ。大暴れしながら毒棘を振りかざして抵抗する様は、まさに地獄絵図。もし食べるために持ち帰るのなら、まず尾を毒棘ごと根元から切断する。
アカエイは毒棘さえなければ危険要素はほとんどないので、安全にハリを外すことができる。リリースする場合はアカエイを裏返し、口のある腹側を上にする。2人以上いる場合は、1人が尾を踏んで押さえ、もう1人がプライヤーでハリを外す。
ハリ外しのアイテム
1人でハリを外さなければならない場合は、エイリアンペンチなどリーチのあるアイテムで安全を確保すること。またエイリアンペンチは、ハリを飲み込まれた場合にも役に立つので持参しておいて損はない。危険を理由にハリスを切ってリリースするようなことはできるだけ避けたい。死力を尽くして戦ってくれたアカエイに敬意を表して、やさしく海に返してあげよう。
アカエイ釣りに挑戦しよう
アカエイは見た目が不気味な上に、毒棘を振り回す恐ろしく迷惑な魚だ。独自の釣種ジャンルとして特化していないところを見ると、専門的に狙って道を究めようとしている人は殆どいないのだろう。
つまりアカエイに確立された釣り方はない。自分の持っているタックルで、自分の作りやすい仕掛けで、釣りやすい場所で、好きなように好きな釣り方をすれば良い。強力な引きを味わいたい人、動物性たんぱく質を大量に確保したい人、自分の釣りの歴史に新たな1ページを刻みたい人……そんな人にオススメの釣りだ。興味がある人は一度挑戦してみてはいかがだろうか。
<楢崎裕史/TSURINEWS・WEBライター>