クロダイの落とし込み釣りと言えば、堤防などから専用の竿を使って、エサを落とし込んでいく陸っぱりスタイルがメインですが、例年6月からスタートする、ボート落とし込みでは、警戒心の薄いクロダイが豪快な引きで釣り人を楽しませてくれます。今回はルアーロッドを使用したボートからのエサ釣り攻略法について解説してみましょう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉浦永)
クロダイ落とし込み釣り
基本的にクロダイの落とし込みは、オカッパリの堤防や岩壁などのストラクチャーを、極先調子でマイクロガイドが付いた3~6mの専用ロッドとギヤ比1:1の両軸または片軸の落とし込みリールを組み合わせてたタックルが主流だと思います。道糸2号にハリスは0.8~1.5号でエサはカラス貝やカニなどを使用します。
釣り方としては堤防などに付着したカラス貝やカニなどが壁から剥がれて落ちるのを演出することで、それらを捕食するクロダイを狙います。
ボートからの落とし込み
堤防からの落とし込み釣りと違い、ボートからの落とし込みでは、ボートをストラクチャーから少し離し、ルアーロッド+スピニングリールというシーバスタックルに近いセッティングでカラス貝をエサに、少しキャスティングしてストラクチャーに沿って落とし込みます。
この釣りのメリットは少し離れた場所から狙うので、警戒心の薄いクロダイが狙え、また、ボートの機動力を生かして、攻める角度を幅広く展開できます。
釣果アップ攻略法3選
今回はボートからのクロダイ落とし込みで有効な釣果アップのためのポイントを紹介します。
1.波があるポイントを選ぶ
ボートの機動力を生かせば、風裏にも行けるし、風がないタイミングでの出船も可能です。しかし、敢えて風が強く、波が高いポイントで釣りをする理由は、クロダイが警戒心の強い魚だからです。
ボートのエンジン音や人の話し声などが海中に響くのを防止して、クロダイの警戒心をなるべく軽減するという戦略です。また風が強い方がキャスティングの際に追い風を利用すれば、カラス貝をポイントまで運んでくれるので、キャストが「楽」というメリットもあります。ただ、ボートが不安定になるのも事実なので、くれぐれも無理をしての釣行はやめましょう。
2.重めのガン玉を使用
オカッパリで専用の長竿を使った場合のガン玉はB~4Bを使うことが多いですが、ボートからの落とし込みは5B~6Bという重めのガン玉を使います。
理由としては、リアクションバイトを狙っているからです。軽めのガン玉で落とし込んでいくと、リーダー12lbの影響で、カラス貝の落ち込み方が不自然になってしまい、見切られる可能性が高くなります。
そのために、5B~6Bという重めのガン玉を使うことで、スピード感を高めて落とし込んでいくことができ、見切られる可能性が低くなって、リアクションバイトを誘発できます。また、重めのガン玉を使うことで、キャストのピッチを高めることができます。
3.強めのタックル
オカッパリに比べて強めのタックル(シーバスタックルなど)を使います。理由としては、コントロール性が高いからです。コントロール性が高いことで、5m先のストラクチャーに対しても、10m先のストラクチャーに対しても、キャスト範囲内であれば、どこへでもキャストできます。
またコントロール性が高いことで、「数打ちゃ当たる」戦略ができます。とにかくキャスト数を稼ぐのです。100回打った場合より200回打った方が、圧倒的にヒットする可能性は高くなります。
オカッパリのタックルでていねいに落とし込んでいくことでも釣果は伸ばせますが、ゲーム性を高めて、確実に魚を取るためにも、シーバスタックルで数打ち戦略をしています。
安全面での対策
小型船舶からの海中転落による死者、行方不明者を減少させるため,平成30年2月1日から、原則としてすべての小型船舶乗船者にライフジャケットの着用を義務付けることになりました。そのため、ボート、オカッパリ問わず、「桜マーク」付きのライフジャケットの着用をよろしくお願いいたします。
また、夏にかけてゲリラ豪雨の発生が頻繁になります。ゲリラ豪雨対策として、スマホなどからその場で確認できる天気情報アプリをダウンロードしておき、通知や小まめなチェックでゲリラ豪雨から身を守りましょう。
クロダイの食味
キャッチ&リリースも大切ですが、釣った魚を食べてみるのも釣りの醍醐味の一つです。クロダイはカルパッチョで食べるのが個人的に好きです。
釣りが趣味である以上、その後の「食」についても勉強していきたいです。「楽しく釣って、美味しく食べる」をモットーに今後も釣りに出かけていきたいと思います。
<杉浦永/TSURINEWS・WEBライター>